涙の初戦敗退から1年 世代最強ストライカー高岡伶颯が「ぶっちぎる」に込めた思い

サッカー新聞 エルゴラッソ

勝ち取ったサウサンプトンからのオファー。海外を求めたワケ

馬力やスピード、得点力だけでなく、並々ならぬ向上心や闘争心も高岡の魅力だ 【Yuki Matsuo】

――どん欲に上だけを目指してきた高岡選手らしく、高校卒業後の進路には“海外”を求めました。多くの選択肢があった中で、サウサンプトン(プレミアリーグ/イングランド)を選んだ理由を教えてください

 練習参加の話をもらったときに、“絶対にいきたい”、“絶対にオファーを勝ち取ってやろう”という気持ちしかありませんでした。実際にいってみて、すごかったのは環境面です。言葉では表せないくらい整備されていて、素晴らしい(練習)施設だったんです。気候も暑過ぎず、街も過ごしやすく、すべてがすごくて、本当に驚きしかありませんでした。

 個人としては、今までもそうですが、進路を決めるときは、“自分がやらなきゃいけない(厳しい)環境に身を置くべき”というスタンスなんです。目標の『W杯優勝』を実現させるために、少しでもそこに近づけるような(海外の)環境でやれるチャンスがあるなら、それを無駄にしたくないという思いが強かったです。後悔したくなかったので。

――実際に正式オファーが届いたときの心境はどうでしたか

 素直に“よっしゃー!”って感じで。“今年はやってやろう”という気持ちでいた中で、話をいただけて、これはもういくしかないと、すぐに覚悟は決まりました。もちろん、今まで見てくださったJクラブのスカウトの方もたくさんいらっしゃって、その人たちに対する(申し訳ない)思いもあるんですけど、海外にいって、結果を残して、“やっぱりアイツはすげえな”って思われるようにしたいですね。

「20点を取る!」。今大会では一味違う新たな自分を見せたい

――高校最後の大会、選手権の組み合わせ抽選会では「20点を取る!」と宣言しました。壮大な目標ですが、常に壁を破ってきた高岡選手なら、そこもかなえてしまいそうな気もします(笑)

 最初から言おうとしていたわけじゃないんですよ(笑)。『ぶっちぎる』が今年のテーマでもあったので、“目標でもぶっちぎらなきゃいけない”と感じていました。もちろん、“注目を浴びて、少しでも自分にプレッシャーをかけたい”という思いもあります。そういう言葉を言うと、間違いなく自分に重圧がかかるので。去年はプレッシャーを力に変えられなかったけど、今年は違う。一味違う新たな自分を見せたいので、目標として『20点』を掲げました。

――最後に、意気込みをお願いします

 もちろん『日本一』を獲りたいです。

 そこにたどり着くまでの道のりが簡単ではないことは分かっています。(1回戦で敗退した12月の)プレミアリーグ参入戦(プレーオフ)でもそうだったように、簡単に勝てる相手はいないので。昨年と一昨年(の選手権)は1回戦敗退に終わっていますし、ピッチの上で自分を表現できなかった部分もあります。

 でもだからこそ、“今年の高岡は違う”という姿を見せたいですし、優勝したいです。チームには一昨年から試合に出ている選手も多いので、(その経験値も生かしながら)みんなで目の前の試合に集中して、1試合ずつ積み上げていく。僕は20ゴール。チームは日本一。最高の形で大会を終えたいですね。

高岡 伶颯(たかおか・れんと)

【Yuki Matsuo】

2007年3月12日生まれ、17歳。宮崎県出身。165cm/62kg。三股中→日章学園高。年代別日本代表の常連で、昨年のU-17W杯ではチームトップとなる大会4ゴールを記録。今年はU-19日本代表にも“飛び級”で招集されている。サウサンプトン(イングランド)加入内定。

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