今季終盤の得点圏打率は驚異の.857 それでも大谷翔平が「クラッチヒッター」ではない理由
8月31日のダイヤモンドバックス戦、初回の打席に向かう準備をする大谷翔平(ドジャース) 【Photo by Christian Petersen/Getty Images】
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・前日の試合。2点を追う九回、ドジャースは無死一、二塁としながら、トリプルプレーでゲームセット。大谷はネクストバッターズサークルから、しばらく動かなかった
・前日の試合で負けたことで、ドジャースとパドレスのゲーム差は「2」に縮まった
・四回、大谷の二塁打でリードしたドジャースだったが、五回に追いつかれた
・六回、再び勝ち越しの好機で大谷が打席に
・勝てば、地区優勝のマジックナンバー2
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・前日の試合に勝ったが、この試合は六回まで無失点。0対2とリードされ、劣勢
・七回、ついに追いつき、なおも1死一、二塁という勝ち越し機で大谷が打席に
・勝てば、ドジャースは地区優勝。
・負ければ、地区優勝の行方は最終シリーズへ。
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シンカー攻めは諸刃の剣
駆け引きそのものにも見応えがあった。
9月25日のパドレス戦、六回に迎えた大谷翔平の第3打席 【参照:MLB.COM「Game Day」】
大谷は後半に入り、左投手のボールになる外角のスライダーを振らなくなったが、一方で、外角いっぱいのシンカーを見逃す傾向があった。外角に同じような軌道で向かってきて、一方は外へ遠くはずれ、一方は中に入ってくる。大谷といえどもその見極めは容易ではく、相手はその定石をなぞった。
果たして4球目は見逃したのか、手が出なかったのか。
大谷に聞くと、「自分のストライクゾーンを維持できている」と話し、“見逃した”ことを示唆したが、正面から答えることはなかった。その際の詳細なやり取りは、今回のテーマから外れるので深掘りしないが、いずれにしても5球目、今度はシンカーがやや中に入り、大谷はその球を捉えた。
9月25日のパドレス戦、六回に勝ち越しタイムリーを放った大谷翔平(ドジャース) 【Robert Gauthier/Los Angeles Times via Getty Images】
「その攻めは、ミーティングでも話題になった。でも、外角いっぱいにシンカーを投げるのは簡単じゃない。曲がりすぎると、中に入ってしまう。そうしたら、捉えられる」
モレホンからの適時打はその言葉を図らずも、証明した。
なお、この日だけで2本の勝ち越し適時打を記録した大谷。好機でバットを振れば、全部ヒットになる感覚か? と試合後に聞かれたものの、返しはそっけなかった。
「うーん、どうなんですかね。打席に入ったらもう何も考えていないというか、本当にその打席に集中しているので、あんまり打てそうだな、打てなさそうだなっていうのも、意識はしてないですかね、いまは」