データで分析する現役ドラフト連載2024

【現役ドラフト】パ・リーグの注目野手10人を紹介 日本ハム・水谷瞬に続くブレーク候補に注目

データスタジアム株式会社

二軍では1年目から本塁打を量産した西武・渡部健人。環境が変わればブレークの可能性を秘める。 【写真は共同】

 出場機会に恵まれない選手の移籍活性化を狙い、2022年度に初めて実施された現役ドラフト。12月9日に開催予定の第3回現役ドラフトに向け、対象選手の中から今季二軍で好成績を残した選手を中心に紹介するコラムを全4回に分けてお届けする。

 今回はパ・リーグ野手編だ。環境次第では主戦場を一軍に移し、より一層の活躍が期待される選手たちである。昨年度の現役ドラフトで移籍した野手の中では、日本ハムの水谷瞬が交流戦MVPに輝くなどブレークを果たしたが、彼に続くような活躍の可能性を秘める選手たちを紹介したい。

※本文は2024年11月30日時点の情報をもとに執筆
※以下、選手の年齢は2024年12月31日時点

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走力が武器の西武・山野辺は打撃力アップで飛躍する可能性も

●山野辺翔 (内野手/30歳)
 内外野をこなすユーティリティー性が持ち味の山野辺翔。今季は一軍でセカンド、サード、レフトのポジションを、それぞれ10試合以上で守った。プロ入りから6年間で通算25盗塁と足も武器であり、ベンチにいると助かる存在である。課題はバッティングだが、二軍では22年から3年連続で打率.270以上を記録。23年は年間で7本塁打とパンチ力も見せた。一軍投手との対戦経験を積んでいけば、チームの中心選手へと飛躍する可能性を秘めているだろう。

●渡部健人 (内野手/26歳)
 次代の主砲候補として20年のドラフト1位で入団した渡部健人。二軍では1年目から19本のアーチを描くなど、通算で47本塁打を誇る。今季は変化球への対応に成長が見られ、三振の割合が減少した。それでも一軍の投手陣には苦戦し、思うような結果を残せていない。現役ドラフトでの移籍を機に花開いた細川成也(中日)も、移籍前年は一軍でわずか1安打しか放っておらず、渡部もきっかけをつかめればブレークするポテンシャルは持っているはずだ。

●佐野皓大 (外野手/28歳)
 俊足を生かしたプレーが魅力の佐野皓大。投手としてプロ入りし、3年目の17年オフに野手へ転向。20年には77試合の出場で20盗塁をマークし、以降も代走での出場を中心に21年からのリーグ3連覇に貢献した。昨季は二軍で3割超えの打率を残しており、一軍ではホームランも放っている。今季は6月に右足の手術を受けてシーズンをリハビリに費やしたものの、来春のキャンプには間に合う見込み。幅広い起用に対応できる選手であり、継続的に出場機会が与えられれば、飛躍的な活躍をするかもしれない。

●山﨑剛 (内野手/29歳)
 22、23年と2ケタ盗塁を達成している山﨑剛。武器である脚力は守備にも生かされており、度々チームを救っている。昨季はキャリアハイの117試合に出場し、今季の春季キャンプは一軍スタートが決まっていたものの体調不良によって離脱。コンディションの回復に長期間を要し、8月にようやく実戦復帰を果たした。楽天は今秋のドラフトで即戦力遊撃手との呼び声高い明治大・宗山塁を1位で獲得。さらには今季台頭した村林一輝の存在もあり、山﨑にとって出場機会の増加は望みにくい状況であるが、控え選手にとどまるには惜しい存在だろう。

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著者プロフィール

日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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