【現役ドラフト】パ・リーグの注目野手10人を紹介 日本ハム・水谷瞬に続くブレーク候補に注目
勝負強さが光る日ハム・今川 長打力が武器のリチャードは新天地で化けるか
5年連続でウエスタン・リーグ本塁打王のリチャードだが、ソフトバンクでは一軍での出場機会が限られている。 【写真は共同】
優れたバットコントロールで広角にヒットを放つ渡邊佳明。二軍では1年目から好成績を残しており、21年からは4年連続で3割を大きく上回る打率をマークしている。一方、一軍では思うように結果を出せておらず、6年目を終えてルーキーイヤーに放った49安打がキャリアハイ。課題はボール球の見極めで、今季は二軍で27.9%だったボールゾーンスイング率が一軍では39.4%まで跳ね上がった。守備は内外野のあらゆるポジションをこなせるだけに、選球眼が備われば一軍に定着できるだろう。
●平沢大河 (内野手/27歳)
出塁能力にたけた平沢大河。今季は3年ぶりに一軍出場ゼロでシーズンを終えたものの、二軍では安打数を上回る四球数を記録するなど、出塁率.389と持ち味を発揮した。安打方向のデータを見ると、ライト方向の引っ張った打球が57.8%で、反対のレフト方向は11.1%と極端に少ない。イースタン・リーグで首位打者に輝いた22年はライト方向が32.1%、レフト方向が30.9%とバランスよく打ち分けていた。優れた選球眼に加え、広角に打ち分ける技術を再び磨けば、リードオフマンとしての活躍が見込める存在だ。
●石川慎吾 (外野手/31歳)
来季14年目を迎える石川慎吾。シーズン途中に巨人から加入した23年は主に左腕相手に起用され、44試合の出場で打率.348、得点圏打率.474を記録。今季は年間を通しての活躍が期待されたが、一軍での成績は振るわなかった。とはいえ、二軍では72試合に出場して打率.332、得点圏打率.451と持ち味を存分に発揮。左投手を得意とする印象が強い選手だが、右投手に対しても打率は3割超えと苦にしていない。一軍での出場機会が確保されれば、成績向上につながる可能性は十分にあるだろう。
●今川優馬 (外野手/27歳)
パンチ力が魅力の今川優馬。2年目の22年に10本塁打を記録するなどブレークを予感させたが、以降は一軍で目立った成績を残せていない。今季は現役ドラフトで加入した水谷瞬の台頭もあり、一軍出場はわずか6試合にとどまった。ただ、二軍では好成績を残しており、今季は得点圏打率.382と勝負強さも光った。この2年はストレートへの対応力を向上させるなど、成長も示している。大きな伸びしろを秘めたスラッガーであることは間違いなく、出番が増えれば中軸を任せられる存在になり得るだろう。
●リチャード (内野手/25歳)
5年連続でウエスタン・リーグの本塁打王に輝いているリチャード。二軍で圧倒的な成績を残しているものの、一軍では昨季に続いてノーアーチに終わった。並外れたパワーはすでに証明済みだが、コンタクトの技術が伸び悩んでおり、一軍のピッチャーに対しては力を発揮できていない。ポジションがかぶるファーストとサードに山川穂高、栗原陵矢がいるソフトバンクでは一軍で経験を積むことも難しく、結果として二軍での出場機会が多くなっているというのが現状だ。新天地でプレーすることが飛躍につながる可能性は大きい。
●野村勇 (内野手/28歳)
22年にルーキーながら一軍で10本塁打10盗塁を記録した野村勇。レギュラー候補として期待を抱かせたが、昨季は春先に手術を受けて離脱し、今季はキャンプ中の骨折によって開幕に出遅れた。そういった影響もあり、この2年は打率1割台と思うように成績を伸ばせていない。それでも今季は企図した盗塁をすべて成功させて4盗塁をマーク。走塁だけでもチームに貢献できる点は大きな魅力であり、過去に2ケタ本塁打を達成した実績も考慮すれば、出場機会の増加でより持ち味を発揮できるだろう。