進化を続けるアルバルク東京の司令塔テーブス海 三遠との強豪対決へ「みんな戦いだと思って入る、それくらい大事な試合」

鈴木栄一

満員の代々木第一への思い

スタイルの違うA東京、三遠の上位対決は必見だ 【(c)ALVARK TOKYO】

 A東京と三遠は正反対の特徴を持っている。リーグ随一の鉄壁ディフェンスを誇るA東京に対し、三遠は圧倒的な爆発力を誇る。最強の矛である三遠、最硬の盾であるA東京の矛盾対決という見方を、テーブスは「めちゃくちゃ面白いですし、そこは意識しています」と語る。

 そしてアップテンポな展開でより力を発揮する三遠に対し、テンポを落とした展開でより強さを発揮するA東京という違いがある中、いかに自分たちの土俵に引きずり込めるのかが重要になると続ける。

「今シーズンは、スローテンポなバスケに加え、トランジションを増やすことも意識しながら14試合を戦ってきました。でも三遠戦に関しては、いかに向こうが嫌な展開に持っていけるのかを大切にする。正直、トランジションを出せてもあえてスローダウンした方がいい場面も出てくると思います。オフェンスもディフェンスもゆっくりとしたペースに持っていくことで、自分たちの方が遂行力は高くなると意識しています」

 テーブスにとって今シーズンはA東京2年目で、よりチーム戦術に馴染み、チームメイトとの連携を向上させていることでプレーの安定感が増している。だが、本人は「去年の方が、チャレンジャー精神で気楽にプレーしていたと思います。今年の方が考えることも多いです」とよりストレスを感じている。だが、これは周囲の信頼感がより増したことによるポシティブな変化だ。

「これはありがたいことで、良いストレスだと思います。特にアルバルクのバスケットはポゼッションが少ないからこそ一個一個をすごく大事にしないといけない。よいオフェンスを遂行できるのか、このチームではほとんどポイントガードの責任となります。自分がうまくコントロールすることで、周りも気持ちよくプレーできます。常に成長させないといけない部分と思います」

 最後になるが、この大一番の会場は代々木第一体育館で、1万人以上の収容人数を誇る。平日夜の試合観戦は、週末に比べてハードルが高くなるのは理解しつつ、テーブスはアルバカーズによる満員での会場でプレーできると信じている。

「平日のナイトゲームで1万人のお客さんの前でプレーできることの有りがたみと、これが普通ではない本当にすごいことだと分かっています。だからこそ選手として1万人の前でプレーできることは一番のやりがいと思っています」

 リーグ最高の矛盾対決となる12月18日の三遠戦は、両チームのファンだけでなくバスケットボールファン全体に対してもお勧めできる質の高い一戦となる。

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著者プロフィール

1977年、山梨県生まれ。アメリカ・オレゴン大学ジャーナリズム学部在学中に「NBA新世紀」(ベースボールマガジン社)でライター活動を開始し、現在に到る。毎年、秋から冬にかけて母校オレゴン・ダックスの成績に一喜一憂している。

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