東海大の同級生&ライバルが“前哨戦”対談 大倉と坂本はA東京と名古屋Dの注目対決にどう臨む?

大島和人

大倉(左)はA東京、坂本(右)は名古屋Dでプレーしている 【(c)ALVARK TOKYO/(c)NAGOYAD】

 2024-25シーズンのB1は中地区が熱い。アルバルク東京が東地区から、名古屋ダイヤモンドドルフィンズが西地区から中地区に移ったことで、さらに強豪のひしめき合う激戦区となったからだ。

 12月上旬にそんなA東京と名古屋Dの対戦が立て続けに組まれている。4日(水)は天皇杯準々決勝が愛知のドルフィンズアリーナで開催される。11日(水)はB1のリーグ戦で、会場は国立代々木競技場第一体育館だ。

 そんな両チームに分かれて、東海大の同級生がプレーをしている。大倉颯太選手(そうた/A東京)と坂本聖芽選手(せいが/名古屋D)はどちらも1999年生まれの25歳で、同じコンボガード(ポイントガード/シューティングガードの兼任)だ。

 今回は12月前半の2試合に向けた「前哨戦」として、大倉選手と坂本選手が対談をしている。お互いの出会い、東海大時代の思い出、両チームの魅力といったテーマで、それぞれの「らしさ」がよく伝わる内容だ。

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お互いを知ったのは中学時代

大倉は今季からA東京に移籍 【(c)ALVARK TOKYO】

――大倉選手と坂本選手は東海大学の同級生ですが、お互いを最初に知ったのはいつですか?

坂本 僕が知ったのが中2です。招待試合みたいな感じで対戦して、それで覚えました。大倉はミニバスのときも月バスに出ていたと思うし「スーパースター」でした。中学校1年生から知っていました。

大倉 聖芽は伝統のある強いチームにいて、僕らともライバルみたいな関係があって、意識する関係でしたね。他にも上手な選手はいたのですが、聖芽は動きが激しくて印象的でした。

――大倉選手は石川県の野々市市立布水中出身ですが、坂本選手の中学校時代は……。

坂本 僕は埼玉県の(上尾市立)大石中です。中学2年の春に群馬から転校をして、2年間は埼玉で学校生活を送っていました。

――大倉選手は今年からA東京に移籍して、坂本選手は名古屋Dでプレーしています。大倉選手は千葉ジェッツから移籍してきて、いかがですか?

大倉 フレッシュな気持ちだし、たくさんのスタッフ陣にも恵まれて、自分に厳しい環境でやれているところは本当にプラスです。あと、このアルバルクでデイニアス(・アドマイティス)ヘッドコーチの違ったスタイルのバスケットを学べて、それもすごく大きい収穫です。しばらくタイトルから遠ざかっているアルバルクに僕が入って、優勝を勝ち取る志もあります。年齢的には僕が一番若いですし、エネルギー、スパイスをチームに与えていきたいと思います。

切磋琢磨でレベルアップ

坂本は大倉との対戦、練習で守備力を高めた 【(c)NAGOYAD】

――二人が近い関係になったのは東海大学に入ってからですか?

大倉 高校でも聖芽の中部第一と、僕らの北陸学院は練習試合を本当によくしていたので、自然と仲もよくなっていました。大学でチームメイトになれて、すごく嬉しかったです。

坂本 嬉しいですね!僕は颯太がずっと憧れで、中高とトップを走ってきていた選手でした。高校では何回もマッチアップしましたし、颯太が点を取って僕がずっと監督に怒られることもありました(苦笑)大学もそうですけど、正直もうやりたくなかったです。でもその経験があったからこそ、高校・大学と颯太も含めて高いレベルでできたからこそ、今があるのかなと思います。

――坂本選手から見れば大倉選手は心強いチームメイトでもあり、自分のプレータイムを奪うライバルでもあったと思いますが、そこはいかがですか?

坂本 ポジションがかぶりますし、先輩の方もいますし、1年生から試合に出ようとなると、なかなか難しいと覚悟はしていました。「大変な4年間になるな」という思いでした。

大倉 毎日練習を一緒にする中で、聖芽はすごくモチベーションが高くて、ハングリーなメンタリティーを持っていました。僕はそこで成長させられたと強く思っています。練習から常に100%をぶつけてくるので、本当に嫌でしたね……。ただ練習の質は上がりましたし、他の選手にとっても聖芽はそういう存在でした。チームとしても個人としても、嫌な思い出でありいい思い出で。感謝しています。

坂本 自分が東海大で伸びたのはDFです。今でも自分の武器ですし、ずっと颯太とマッチアップしてきました。こちらも100%でやらないとついていけないし、止められません。颯太も言いましたけど、自分も気を抜けなかった。毎日とにかく一生懸命、ハードにやった感じです。

――お二人が3年生のとき、1年生に河村勇輝選手が入学してきました。既に三遠ネオフェニックスの特別指定でBリーグのデビューも済ませた「スーパールーキー」でしたが、どんな後輩でしたか?

大倉 そのときはコロナもあったのですが、試合が少ない中で練習をタフにやっていました。上手だなという印象ももちろんありましたけど、僕は特に……分からないです。今こうやって活躍している彼を見て、素直にすごいなと思います。求められている答えになっていないかもしれませんが(苦笑)。

坂本 福岡第一のときの天皇杯も見ていましたし、すごく速くて、すごく上手な印象でした。大学のときは彼が1番(ポイントガード)、自分が2番(シューティングガード)で一緒に出ることもよくありました。本当にいいところにパスが来るし、彼がボールを持つと自分たちも一緒に走れて良い流れになっていました。DFも一段とテンポ上がるようなプレーヤーで、すごくやりやすかったですね。

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著者プロフィール

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都北区に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。取材対象はバスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、ハンドボールと幅広い。2021年1月『B.LEAGUE誕生 日本スポーツビジネス秘史』を上梓。

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