B1初昇格・越谷が今季2勝目で得た収穫 “最強外国籍”への巧みな守備を見せた長崎戦
勝って得られる自信と好循環
安齋HCの要求と選手のレベルにはまだギャップがある 【(C)B.LEAGUE】
安齋HCはブレックス時代から選手に対する「愛のある辛口コメント」が多い指揮官だが、6日の記者会見でもこう語っていた。
「昨日の練習もいつもと同じ感じだったので、また僕も厳しく言いました。でもそろそろ、僕も言うのが嫌になってきています。『もう俺に言わせないで』という、同じことをずっと言っています。僕の振る舞いを変えなければいけないのかなとも思いましたけど、そこを変えてしまうとレベルがどんどん落ちていくだけです」
1試合の結果で過去の敗戦が消えるわけではないし、チームの課題も引き続いてある。ただ安齋HCは選手への要求レベルを下げず、選手たちはようやくそれに応えて守備の見事な遂行を見せた。越谷にとっては残り48試合に向けた「自信」「気付き」になり得る長崎戦だった。
43歳らしからぬ貫録を漂わせる名将は言う。
「島根戦もそうですし、今日もそうですけど、勝って自信をつけていく部分はあります。僕に言われていることから逃げずに立ち向かっていくと、今日みたいなゲームになる。今までそこから逃げていこうみたいな姿勢が、僕にも見えていました。今日それが変わったことは、チームにとってすごくプラスです。僕も変えないところは変えず、要求するところは要求し続けるべきだなと分かりました」
チームの伸びしろについてはこう口にしていた。
「ディフェンスの質もそうだし、遂行力はオフェンスもですけど、全ての部分であると思いますね。今朝の練習でフォーメーションの確認をさせたら、全くできてない選手もいたのが現状です。それを当たり前にできるのがプロで、そういう部分も含めてやっていけるようになれば、ゲームで結果が出て自信になって『もっとやらなければいけない』となっていきます」
不調のチームが平日に集めた大観衆
家族連れの多さも印象的だった 【(C)B.LEAGUE】
越谷の平均観客数は2021-22シーズンの952人から1645人、2267人と右肩上がりで増えている。コート内外の成長に新アリーナの整備が追いつかず、2026年に開幕する「Bプレミア」入りは逃した。資本政策、行政との調整はそれなりに高い壁だろう。とはいえ越谷はオフコートでも、エクスパンション(リーグ拡大)のタイミングで昇格を十分に狙えるポテンシャルを見せている。
B1「2勝目」がこのクラブにとって大きな一歩になるかもしれない――。そんな期待を感じた、越谷の戦いだった。