【スキー】「加藤ケース」アルペンスキー開幕戦で起きた事案についてFISより公式発表

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【スキー】「加藤ケース」アルペンスキー開幕戦で起きた事案についてFISより公式発表

10月26日〜27日にセルデン(オーストリア)行われたアルペンスキーFISワールドカップ開幕戦は加藤聖五(野沢温泉SC)にとっては想定外の不運なレースとなりました。
前半を28位のタイムで通過しましたがその直後コース内にいた他国のコーチを避けるためレースを中断。通常であればすぐに再スタートとなるはずですが、大会の進行をコントロールするジュリーメンバーの判断により『再スタートはなし』と決定されました。(ルール上はジュリーが運営上の観点から可能だと判断した場合に再レースの権利が与えられます)

チームとしては現場で抗議を行いましたがその決定は覆されず、その後も書面でのやりとりを続け、ようやくLEVIワールドカップのミーティングの場でFISから今回の「加藤ケース」について公式の説明がなされました。以下、概要になります。

「加藤ケース」についてのFISの見解

ゼルデンでの出来事についてお話しします。何事もなく終わったことには感謝していますが、GSのスピードは非常に危険です。レーサーには再レースをする権利がありましたが、運営上の理由でそれを認めることはできませんでした。放送時間や観客の数、商業的な影響を考慮しなければならなかったため、再レースをする選択肢はありませんでした。
レーサーには選択肢がなかったことを理解してもらう必要があり、最終的に彼は私たちの決定を受け入れました。もちろん、全日本スキー連盟やメディアからの反応は厳しく、私たちも反省していますが、この決断は他の選択肢がなかったからです。もし他の事情があれば、再走行をさせることもできたかもしれませんが、今回は厳しい運営上の制約がありました。
最後に、私は妨害をしたヘルベルトマンデルに最大のペナルティである999のペナルティを与え、加藤選手に対して少しの救済をしましたが、彼は完全には満足していませんでした。しかしながら商業的な側面がスポーツよりも重要なこともあるという現実もあります。

これが私の立場であり、今後このようなことが起きないよう、全員が慎重に行動すべきだと強調したいと思います。

FIS Alpine ski Race director
Markus Waldner
以上がFISからの公式の発表になります。
なお、書面でのやり取りにおいてもFIS事務総長から同様の見解と遺憾の意を表した文書が送られてきています。

【安食ヘッドコーチコメント】

いつも応援いただき、ありがとうございます。
加藤選手の開幕戦での途中棄権についてはとても残念に思います。ジュリーメンバーの決定に日本チームとしては抗議を続けてきましたが覆ることはありませんでした。
ルールでは再スタートの判断はジュリーにより決定されることとなっています。大会スケジュールや放映権、安全面の観点から今回の決定に至ったということは納得のできるものではありませんが仕方がありません。気持ちを切り替え次戦に向けてしっかりと準備をし、挑んで行きたいと思います。

しかしスポーツとしてフェアであることがとても重要です。今後このようなことが無いよう、全ての選手がスタートからゴールまで全力でパフォーマンスを発揮できるよう、日本チームとしてルールの明確化や変更を求めて行きたいと考えています。

引き続きアルペンチームへの応援、よろしくお願い致します。
次戦は11月24日にグルグル(オーストリア)にて男子スラロームが開催されます。
JSPORTSにてライブ配信されますので是非ご覧ください!

11/24 JSPORTS1 17:45〜 放送予定
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著者プロフィール

公益財団法人全日本スキー連盟は、日本におけるスキー・スノーボード競技を統括すると同時に、普及・振興の役割も担う競技団体。設立は1925年、2025年には設立100周年を迎える。スキージャンプ、ノルディック複合、クロスカントリー、アルペン、フリースタイル、スノーボードの6競技において、世界で戦う選手たち「SNOW JAPAN」の情報や、FIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップなどの大会情報をお届けします。

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