【J1第35節ベストイレブン】京都から最多4名を選出! MVPは“深紅”のCB

サッカー新聞 エルゴラッソ

奪首に導いた、使命と責任の体現者

『エル・ゴラッソ』が選んだJ1第35節のMVPはヴィッセル神戸のDF山川哲史 【(C)J.LEAGUE】

MVP:DF 山川哲史(神戸 採点7.0/10点)

 J1第35節のMVPに輝いたのはヴィッセル神戸のDF山川哲史。首位浮上に貢献した活躍の背景について、チームを追う小野慶太記者に聞いた。

――エル・ゴラッソが選ぶJ1第35節のMVPは、神戸の山川哲史選手です。53分、CKから貴重な追加点を叩き込み、2-0での勝利、そして首位奪取の立役者となりました。

番記者 あのCKは前半から、チームとして狙っていた形でした。「後半にさらに修正して、結果につながってよかった」と山川選手自身もコメントしていましたね。自陣でクロスをはね返すときのような、豪快な首振りで決めました。ヘディングの強さを攻撃でも発揮した場面だったと思います。宮代大聖選手が先制点を挙げた6分後にたたみかけることができたのも大きかったですね。終始、攻め続けていた試合ではありましたが、無得点の時間が長く続けばイヤな流れになっていた可能性もなくはなかったですし、1点だけでは試合はまだ分かりませんでしたから。

――監督の落とし込む『競争と共存』の下、チーム内競争が激しいのは今季の神戸の大きな特徴になっていますね。

番記者 山川選手自身も、「ポジションが確約されているわけではない」「ダメならポジションを奪われる」と言っていました。そして、ほかのDF陣のうまさを認め、研究して自分のものにしようとしています。そういう意味での成長を、自分に妥協することなくやり続けていますね。今季、監督から副将に指名されたことも大きいと思います。今季は中堅世代にもリーダーシップが求められている中で、試合中の声出しなども積極的に行っています。自分自身に対する使命感、責任感を背負いながら戦っていますね。

 その責任感が最も分かりやすいのはシュートブロックの場面だと思います。“絶対にやらせない”という気迫を前面に出して、ファインブロックだけではなく、シュートに対してまったく体をよけなかったり、ときには顔面で止めたりしています。「体を張る」というのはこういうこと、「体を張る」イコール山川…そういう選手ですね。

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