CS直前! 辻発彦&五十嵐亮太が2024年パ・リーグの「ビビった話」を告白

加賀一輝

辻氏(左)と五十嵐氏(右)が今年のパ・リーグを語り合った 【スポーツナビ】

 スポーツナビとソフトバンクの動画配信サービス『ベースボールLIVE』が初のコラボ! 第1弾として「今年のパ・リーグ、ビビった話」をお送りする。ゲストには辻発彦氏(元西武監督)と五十嵐亮太氏(元ソフトバンクほか)を招き、MC木下貴道氏が進行。本稿では動画の中から、クライマックスシリーズ(CS)に関する部分を中心に綴っていく。

ソフトバンク:投手陣を良化させた「倉野さん」

エースの有原と話すソフトバンクの倉野コーチ 【写真は共同】

 まずはリーグ優勝を果たしたソフトバンクについて。小久保裕紀監督は就任1年目でいきなりシーズン91勝と圧倒的な成績を残した。

 五十嵐氏は特に投手陣の強力さに「ビビった」と語る。

「倉野さんが来られて、(リバン・)モイネロが救援から先発に変わって、こんなに上手くいくのかって感じです」

 とりわけ「倉野さん」こと倉野信次コーチの存在が大きいという。小久保監督とは大学時代の先輩・後輩の関係だ。

 今季は新設された「投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター」の役割を担い、防御率・与四球・失点数を大きく良化させた。米国でのコーチ研修、レンジャーズ傘下でのコーチ経験を経て、投手陣へのアプローチが功を奏したと、五十嵐氏は見ている。

「倉野さんがマウンドに行って投手に話す言葉を毎回本人に聞いているんですよ。そうしたらハッキリと『勝負』か『歩かせる』かを伝えていたんです。選手が迷わないでプレーできる環境を整えた結果、ストライクゾーンで勝負する機会が増えて、与四球が減ったり防御率も良くなった。メンタルコントロールの部分は大きいと思います」

 カーター・スチュワート・ジュニアや杉山一樹といった、制球に不安を持つ速球派投手の成績が良くなったのも、倉野コーチの一助があった好例だろう。

日本ハム:辻氏が感じる清宮の魅力

日本ハムの清宮にはCSでの爆発が期待されている 【写真は共同】

 新庄剛志監督が集大成の3年目を迎えた日本ハム。2年続けて最下位だったのが、今季は貯金15を稼ぎ、堂々の2位である。

 投打ともに成長著しい若手や油の乗った中堅がそろう中、辻氏は清宮幸太郎について熱く語った。

「監督をやっていた時は清宮選手のことがイヤでしたよ。あまり結果が出ていなかったかもしれないけれど、やっぱり振れるし。今季は身体を絞って、夏に復帰してから素晴らしいじゃないですか。内角の捌きなんて本当に上手いのでね。ガッと振るよりスパン!と切れ味で打つような」

 清宮は規定打席にこそ満たなかったものの、打率3割ジャストでフィニッシュ。持ち前の長打力で15本塁打、OPS.898をマークした。CSでも主軸の一人として活躍が期待される。

 また、新庄監督の采配について、辻氏は「何をやってくるか分からない」ところを評価。重盗やセーフティスクイズ等を絡ませて得点を奪うしたたかさに「不気味さを感じる」とした。

 これについては五十嵐氏も「新庄監督の勝負勘、嗅覚は独特。作戦がハマると、相手が本当に悔しいと感じさせるところで仕掛けてくる」と同調。CSでは接戦時のせめぎ合いに注目したい。

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著者プロフィール

1988年3月6日、愛知県生まれ。成蹊大学卒業後、一般企業を経て独立。ライティング、MCなど幅広く活動する。2016年〜23年まで『スポーツナビ』にて編集・編成を担当。在職中に五輪・パラリンピックへの派遣、『Number』『文春オンライン』等への寄稿を経験。趣味は草野球で、1週間で20イニング投げることも。

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