「通算打率.125」大谷翔平を翻弄し続ける、ダルビッシュ有の高度な駆け引きと観察眼【地区シリーズ第2戦】
10月5日に行われたドジャースとパドレスによる地区シリーズ第2戦、パドレス先発のダルビッシュ有は7回1失点に抑える快投を披露した 【写真は共同】
9月16日(現地時間、以下同)以来、14試合ぶりの無安打。大谷に対する相手の徹底した対策が垣間見える中、どう頭の中を整理していたのだろう。
勝負の世界にタラレバはない。
しかし、ドジャースファンにしてみれば、あの初回のムーキー・ベッツの左翼への大きな当たりが、あと50センチ遠くへ飛んでいれば……。二回、1点を返してなおも1死一、二塁の場面でトミー・エドマンが放った一塁への痛烈なライナーが、あと1メートル、左右どちらかにずれていれば……。いずれもその後の展開に影響を与えていたのでは、と思わずにいられないのではないか。
テオスカー・ヘルナンデス(ドジャース)は、曖昧に答えた。
「どうだろう。でも、我々に得点するチャンスがあったことは確かだ」
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試合中断の真相と、両チームの因縁
初回、ドジャースのムーキー・ベッツが放ったホームラン性の打球を、パドレスのジュリクソン・プロファーがスーパーキャッチ。無失点で切り抜けた 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】
プロファーは、ドジャースの七回の攻撃が始まる前、キャッチボールを終えたボールをスタンドに投げ入れた。あくまでもファンサービスである。
ところが、そのボールが投げ返された。そのボールを拾ったプロファーは、もう一度客席にボールを投げている。しかし、今度はボールだけではなく、ゴミまで飛んできて、試合が中断される事態となった。
因縁はしかし、これが初めてではない。4月14日に行われたパドレスとドジャースの試合では、プロファーに対する内角球を巡って、一悶着あった。マニー・マチャド(パドレス)ほどではないにしても、プロファーが打席に入るたびブーイングが飛ぶのはそのためだ。
その七回が終わると、パドレスはベンチ内で、マチャドが音頭をとって円陣を組んだ。八回、パドレスは2本塁打で3点を追加し、九回にも2本塁打が飛び出すと、七回まで緊迫した展開だった試合が、一気に壊れた。
初回と九回に本塁打を放ったフェルナンド・タティスJr.(パドレス)。四回には好守でチームを盛り立てた 【Photo by Harry How/Getty Images】