「通算打率.125」大谷翔平を翻弄し続ける、ダルビッシュ有の高度な駆け引きと観察眼【地区シリーズ第2戦】
見応えのあった大谷とダルビッシュの勝負
2人のルーツに関しては、数日前から米メディアも興味を持ち、10月4日の試合前、会見に応じた大谷が、「僕の小さい頃のスター選手というか、メジャーリーグに来るときもそうですし、その前に日本でプレーしているときもずっと見ていて、テレビの中で憧れて見ていた選手」と敬意を口にし、「そういう選手とポストシーズンやれるかもしれないというのは、自分にとってすごく大きいこと」と話したことで、より興味を搔き立てられたよう。
10月5日、今度はダルビッシュが会見に出席したが、聞かれたのは大谷のことがほとんど。米メディアが7問聞いたが、4問が大谷絡みだった。
初めて会った時のことについては、「2014年くらいに食事をしたのが最初で、そこから2年くらい、オフシーズンに一緒にトレーニングをした」とダルビッシュは振り返り、「やっぱり全く違う文化から来てますし、お互い試合をするときは、挨拶していろんな話をしますし、情報交換もしています。食事に行くこともありますし、今も連絡を取ったりはします」と明かした。
当然、この日の試合後も振り返りを求められたが、内容はそれに値する濃いものだった。
最初の打席は、ボールが先行したが、1球も同じ球種がなく、最後は外角低めのバックドアスライダーに大谷のバットが空を切った。
2打席目はいきなり、スプリットを連投。3球目にスイーパーを挟み、4球目もスプリット。大谷は引っ掛けて一塁ゴロに倒れた。90マイル以上の球は1球もなく、1打席目とはまるで配球が異なった。
六回の3打席目は、1打席目に1球だけ投げたカーブを軸とし、最後はそのカーブでボテボテのピッチャーゴロに打ち取られている。大谷は、全く自分のスイングをさせてもらえなかった。
ダルビッシュは、「とにかく球種だけでなくて、足を上げている時間をちょっと変えたりとか、工夫をした」と大谷への攻めを説明し、こう捕捉している。
「反応だったり、自分の球に対するスイングとかも見ながら」
その観察眼にこそ、大谷は翻弄されたのではないか。それは今回だけではなく、これまでも。通算8打数1安打という結果は、そのことを正確に表している。
何より、この試合で大谷は、 一度も得点圏で打席に立たせてもらえなかった。過去11試合、大谷は得点圏で17打数14安打、6本塁打、22打点。ダルビッシュは、ドジャース打線全体もそうして最少失点に封じたのだった。
追い込まれたドジャース
パドレス先発のダルビッシュ有に3打数無安打と抑え込まれた、ドジャースの大谷翔平。この日は4打数無安打に終わった 【Photo by Orlando Ramirez/Getty Images】
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一夜にして、今度はドジャースが追い込まれた。
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