川崎宗則、元MVP左腕にドラフト候補も参戦 もうひとつのプロ野球日本一決定戦が27日開幕

金沢慧

栃木GBの川﨑宗則 【写真提供:栃木ゴールデンブレーブス】

 9/27(金)から29(日)にかけて、栃木県小山市の小山運動公園野球場で「日本独立リーググランドチャンピオンシップ(GCS)2024」が行われる。この大会は日本独立リーグ野球機構(IPBL)に参加している5リーグの代表チームによる日本一決定戦で、各リーグを勝ち抜いた代表5チームと開催地の1チーム、合計6チームによるトーナメントで日本一を決める。

 今回はドラフト候補も数多く登場するこの大会の見どころを紹介する。

5リーグの代表6チームがGCSの出場権を獲得

【画像提供:日本独立リーグ野球機構】

 IPBLに所属する5リーグから今大会に出場するのは以下の6チームだ。

 ルートインBCリーグ(BCL)からはシーズン2位の信濃グランセローズ(信濃GS)がプレーオフで勝ち上がり2年ぶりの出場。開催地枠として栃木ゴールデンブレーブス(栃木GB)も出場する。四国アイランドリーグplus(IBLJ)からは年間勝率は2位ながら、プレーオフの「トリドール杯 チャンピオンシップ」で連勝した愛媛マンダリンパイレーツ(愛媛MP)が開催地枠だった昨年に引き続き2年連続の出場となる。

 日本海リーグ(NLB)は石川ミリオンスターズ(石川MS)が優勝し、BCLに所属していた2013年以来11年ぶりの出場。北海道フロンティアリーグ(HFL)は石狩レッドフェニックス(石狩RP)が2年連続の出場となった。

 ヤマエグループ九州アジアリーグ(KAL)からはリーグ優勝した北九州下関フェニックス(北九州下関P)が初出場。昨年、一昨年とGCS連覇を果たしていた火の国サラマンダーズ(火の国S)はKALで3位に終わり、今年の出場権は獲得できなかった。

【画像提供:日本独立リーグ野球機構】

 大会の組み合わせは上の通りだ。雨天中止の場合は大きく日程が変わる可能性があるので、詳細はIPBLの公式HPで確認してほしい。

かつてNPBに所属した選手の采配やプレーも見どころ

【画像提供:日本独立リーグ野球機構】

今大会出場チームの監督や選手を眺めると、NPBでの活躍が思い出される懐かしい顔ぶれも並んでいる。

 2年連続の出場となるのは愛媛MPの弓岡監督と石狩RPの坪井監督。昨年はともにチームが悔しい敗戦を経験しただけに、今年はより高みを目指すだろう。信濃GSの柳澤監督は一昨年のGCS決勝で準優勝を経験しており、頂点を目指す戦いに再び挑む。ヤクルトから信濃GSに復帰した松井聖はコーチ兼任選手ながらリーグで12本塁打を放つ活躍を見せており、GCSでもチームを牽引する働きに期待がかかる。

 今季から就任した石川MSの岡崎監督は阪神タイガースに籍をおいた状態での「派遣」という形で監督を務めている。北九州下関Pは西岡剛氏が今年2月に退任して総監督に就任し、松本監督が後を受けた。松本監督は投手兼任であり、リーグ戦では3試合に登板している。コーチ兼任選手の平間隼人(元巨人)は41盗塁でリーグの盗塁王を獲得するなどチームの中心選手となっている。

 寺内監督が指揮する栃木GBはNPBで2012年シーズンMVPなど輝かしい実績のある吉川光夫(元日本ハムなど)、成瀬善久(元ロッテなど)の両コーチが選手兼任で在籍している。また、NPB、MLBで活躍した大ベテラン・川﨑宗則(元ソフトバンクなど)は選手として活躍しており、今年も36試合に出場、打率.346の結果を残している。

 昨年のGCS決勝では最終回に埼玉武蔵ヒートベアーズ(埼玉武蔵HB)の清田育宏(元ロッテ)と火の国Sの山口翔(元広島)の力と力の真っ向勝負があり、観客を惹きつけた。結果的に四球となったその打席は引退が決まっていた清田の現役最終打席となった。

 かつてNPBや海外で実績を積んだ監督、プレーヤーの様々なストーリーが交差する場もGCSの魅力であり、今年もどのようなドラマが見られるか楽しみにしたい。

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著者プロフィール

1984年生まれ、福島県出身。学習院大学在学中の2005年夏の甲子園で阪神園芸での整備員アルバイトを経験するなど、基本的には高校野球マニア。 筑波大学大学院体育研究科を修了後、2009年にデータスタジアム株式会社に入社し野球のアナリストとして活動を始めた。NHK-BSで放送されている「球辞苑」には2015年から出演している。2018年からは本所属を株式会社リクルートテクノロジーズ(現・株式会社リクルート)のデータ利活用の部署に移し、主にHRメディアでのデータ分析環境の整備や機械学習を用いたアプリケーション開発のPMOとして従事した。 2022年10月に独立し、現在は四国アイランドリーグplusのアナリティクスディレクターなどプロスポーツリーグ等でのHR領域のデータ活用推進を行っている。また、スポーツアナリティクスジャパン(SAJ)2022ではプロジェクトマネージャーを担うなど、スポーツをきっかけとした文化交流のカンファレンスやイベントの企画、運営にも携わっている。

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