楽しみな新勢力台頭のスーパーフェザー級の戦いに注目 デンマークで無敵王者に挑む世界戦も【8月のボクシング注目試合②】
ライト級3冠を狙う三代が初防衛戦、中嶋と和氣が激突
「ベルトを3つ集めたい」と三代大訓(右)。左はセミに出場の飯村樹輝弥 【写真:船橋真二郎】
「ベルトを3つ集めたい」という三代が目論むのは、国内最強の証明から世界へと道をつなげること。「ライバル」と認めるアマで2勝1敗、元ワタナベジムの同門でもある東洋太平洋王者の宇津木秀(ワタナベ)、サウスポーのWBOアジアパシフィック王者で中央大の2学年上の先輩、保田克也(大橋)と王者同士の統一戦を望む。
関西学院大出身の宮本は6回戦デビューながら、2度の3連敗を乗り越えた苦労人。3カ月前に日本ランカーを下し、挑戦者に抜てきされた。スーパーフェザー級でも実績を築き、戦術と技巧に長けた三代に対し、不利予想は否めないが、千載一遇のチャンスに全力を傾けてくるはずである。
王者対決に向け、三代は「勢いがつくようにしっかりKOで勝ちたい」と宣言。宮本は8敗すべてがKO、TKO負け。アピールするには確実にクリアしなければならないハードルだろう。試合は「U-NEXT」でライブ配信される。
中嶋一輝(左)と和氣慎吾の一戦は生き残りをかけたサバイバルマッチ 【写真:船橋真二郎】
パワーの中嶋が捕まえるか、スピードの和氣が距離を支配するかがシンプルな見方になる。中嶋は「判定じゃなくて、絶対にKOで勝って世界につなげたい」といつもながらのKO宣言。一方の「これがほんとの最後のチャンス」というプロキャリア18年目の和氣は「判定でも、KOでも、勝ちにこだわる。このチャンスを必ずもぎ取って、世界につなげていきたい」と覚悟をにじませた。生き残るのはどちらか。
セミの奈良井と福井による日本スーパーフェザー級戦の前には、日本ウェルター級王座決定戦が行われ、1位の石脇麻生(石田/24歳、13勝9KO7敗1分)と4位のセムジュ・デビッド(中日/31歳、5勝3KO1敗)が豊嶋亮太(帝拳)の返上した王座を争う。
昨年11月、前王者の豊嶋との挑戦者決定戦を接戦で落とした石脇だが、今年4月、湯場海樹(ワタナベ)との上位ランカー対決に4回TKOで快勝。勢いに乗る。東京五輪ウガンダ代表のデビッドは日本2戦目。今年3月に元WBOアジアパシフィック・ミドル級王者の能嶋宏弥(薬師寺)を判定で下したが、6月の前戦は中国で判定負け。今回が再起戦になる。
プロ叩き上げの石脇、アマチュア仕込みのテクニックがベースのデビッド。どちらがタイトルを手にするか。いずれも「Lemino」がライブ配信する。