「川上憲伸×高橋由伸」大学時代&ルーキーイヤーを語りつくす! ドラフト、直接対決、球宴、新人王争い…あふれる至極のエピソード
伝説の新人王争い…ライバル、恩師の思い
球史に残る大混戦の新人王レースを制した川上氏。その渦中、ライバル高橋氏と険悪なムードになりかけたというが、事の真相は? 【写真は共同】
高橋さんは「新人史上最多得票」で選出され、期待に応えて優秀選手賞を獲得。一方の川上さんは、「新人でオールスター先発」という大役を務めただけでなく、「史上3人目(投手初)の新人MVP」を獲得してしまう。
その快挙達成の裏にあった野村克也セ・リーグ監督(ヤクルト)の演出の妙、さらに「思い出すのはイチローさん」とそろって口にする、野球少年のような二人の語らいも新鮮だ。
そして、シーズンが深まるにつれ、激しさを増す新人王争い。この1998年のセ・リーグは「史上稀に見る激戦新人王レース」と言われ、4選手がしのぎを削った。
■川上憲伸(中日):26試合登板、14勝6敗、防御率2.57
■高橋由伸(巨人):126試合出場、打率.300、19本塁打、75打点
■坪井智哉(阪神):123試合出場、打率.327、2本塁打、21打点
■小林幹英(広島):54試合登板、9勝6敗18セーブ、防御率2.87
結果として、川上さんが新人王を獲得したのはご存じの通り。川上さんは新人王獲得の一報を受けた際、「真っ先に頭に浮かんだのは由伸のことだった」と当時を振り返る。究極のライバル同士だからこそ語りあえる特別な思い。さらには、星野仙一監督や長嶋茂雄監督という恩師からかけてもらった親心とも言えるメッセージは必見だ。
最後はこの「平成最強新人」の二人から、今のルーキーたちへのメッセージも。同世代だけが実現できるライバル対決の意義、楽しさ、醍醐味が令和のプロ野球にどのように託されるのか。受け継がれる物語もまた、プロ野球ならではの奥深さと言える。