プロ野球「新人王レース2024」最前線レポート

「川上憲伸×高橋由伸」大学時代&ルーキーイヤーを語りつくす! ドラフト、直接対決、球宴、新人王争い…あふれる至極のエピソード

オグマナオト

憲伸vs.由伸「あの1球で意識が変わった」

プロ1年目の直接対決で高橋氏(右)が放った唯一の安打は本塁打だった。打たれた川上氏(左)が当時の心境を明かした 【写真は共同】

 除名騒動と逆指名騒動を乗り越え、無事にプロ入りした二人は、ともに即戦力ルーキーとして開幕1軍入り。先にデビューしたのは開幕戦でスタメンデビューを飾った高橋さんだ。

 当時の巨人といえば松井秀喜・清原和博・広沢克(現・広澤克実)といった「球界の4番」がズラリと並ぶ超重量打線。六大学本塁打記録を持つ黄金ルーキー高橋と言えども、このなかで生き抜くためにはモデルチェンジが求められたと振り返る。

 一方、開幕6戦目で初先発のマウンドに立った川上さんが思い出すのは、プロで初めて打たれたホームランと、スクイズで決めたプロ初打点。憲伸ファンの間では鉄板ネタとも知られる“プロ初打点を巡るドタバタ劇”を本人の言葉で改めて堪能したい。

 そんな二人のプロ初対決は4月16日、東京ドームでの巨人対中日戦。大学時代に何度も対戦し、どちらかというと打たれた記憶の方があると語る川上さんだが、プロ1年目は立場が逆転。シーズントータルでは22打数1安打(1本塁打)で川上さんに軍配が上がる。その結果に至るきっかけとなったのがプロ初対決での勝負球だったという。

 周囲からの期待、重圧、注目度。キャッチャーからのまさかのサイン。ともに「あの1球で意識が変わった」と振り返るプロ初対決の裏で何を考えていたのか。この1球の攻防こそ、日本球界で大きな足跡を残す二人が本当の意味で「プロ」になった瞬間だったのかもしれない。

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著者プロフィール

昭和52年、福島県生まれ。『ざっくり甲子園100年100ネタ』や『大人も知らない! ? スポーツの実は…』、『スポーツ伝説超百科』シリーズ、『Leo the footballのしゃべくりサッカー部』シリーズなど、スポーツ書籍の執筆や構成を務める。また、『週プレ』『昭和40年男』『野球太郎』等の雑誌での記事執筆やインタビュー、テレビ朝日『報道ステーション・スポーツコーナー』やニッポン放送『スポーツ伝説』などテレビ・ラジオ・YouTubeのスポーツ番組での構成作家も担当。水島新司漫画研究家としてもメディア出演多数。

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