ファーム成績から見るパ・リーグ「有望株」 まだいる伸び盛り若鷹、水谷に続く日本ハム新星は?

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順調な成長を遂げているロッテの若手たち

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 ロッテの若手投手では、高卒入団の選手が順調な成長を見せている。まずは、2年目を迎えた田中晴也を紹介したい。今季は先発投手として防御率2.87を記録しており、キレのある変化球を武器に高い奪三振能力を示している。一軍では6月1日の阪神戦でプロ初先発し、5回無失点6奪三振と上々のデビューを飾った。

 次に、4年目を迎えた中森俊介も先発として、リーグ平均より優れた奪三振率と与四球率を記録。投球の65%を占めるストレートの球威が長所で、5月19日のDeNA戦で記録した7個の三振すべてを直球で奪っている。新人投手では、ドラフト3位の木村優人が5月17日に公式戦デビュー。ここまで3試合の登板ながら平均球速147.1キロと非凡な速球を披露しており、今後が楽しみな若手右腕である。

 最後に、大卒社会人出身で入団2年目を迎える高野脩汰を取り上げたい。真上から投げ下ろすフォークを武器に高い奪三振率を記録しており、ここまで一軍でも9イニングで10個の三振を奪っている。二軍では非常に優れた成績を残しており、オーバースローの左腕という希少性を生かして一軍での活躍が期待される存在だ。

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 若手野手陣では、注目を集めるドラフト1位ルーキーの上田希由翔が打率.309をマーク。これは規定打席到達者ではリーグ2位に位置しており、7本の二塁打を放つなど、中距離打者として好成績を収めている。また三塁の守備では、30試合で無失策を続けてリーグ2位の守備得点を記録している。将来的な三塁のレギュラー候補として順調なスタートを切っており、後半戦からは一軍の出場機会も増加するかもしれない。

 上田と同じ内野手では、3年目の池田来翔がOPS.792と好成績を残している。四球の少なさに表れているように積極的な打撃スタイルが特徴だが、一軍では24打数2安打と苦戦しているようだ。このほか、外野手では4年目の山本大斗がリーグ3位タイの6本塁打を記録。優れた長打力でアピールしていることに加え、ライトの守備得点ではリーグトップを記録するなど、ディフェンスでも光るものを示している。

 最後に、高卒ルーキーの寺地隆成を取り上げたい。寺地は捕手ながら打率.276と優秀な数値を記録。また、三振割合や四球割合もリーグ平均より優れており、バットコントロールの良さが表れている。一方で、盗塁阻止率.143など守備面ではまだまだ課題も多い。打力に優れる捕手は希少のため、寺地が打てる捕手として成長できるようであれば、チームの未来も明るいものとなる。

オリックスの次なるスター候補たち

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 近年、数多くの若手投手が台頭しているオリックス。一軍の実績が少ない投手の中から4名の選手を取り上げたい。190センチの長身左腕である佐藤一磨は、キレのあるフォークを武器に防御率1.99をマーク。6月8日に入団5年目にして支配下登録を勝ち取ると、プロ初登板となった9日の巨人戦では5回無失点の投球を披露し、デビュー戦を白星で飾った。2022年9月にトミー・ジョン手術を受けた椋木蓮は、ここまで39イニングを投げて防御率2.08を記録。順調な回復ぶりを示しており、今後は一軍の先発マウンドで活躍が期待される。

 次に、高卒2年目の齋藤響介が存在感を示している、二軍ではリーグ平均を超える平均球速を記録するなどスケールの大きさを見せており、一軍でも4試合に先発して防御率0.47をマークしている。6月8日にはプロ初勝利を挙げており、近い将来の中心選手として活躍が期待される若手右腕だ。

 最後に、リリーフ投手から才木海翔を取り上げる。育成選手として今季を迎えた右腕は、故障の影響もあって二軍での初登板が5月4日と出遅れ、ここまでの投球回はわずか5回2/3。防御率は6点台と振るっていないものの、奪三振能力や平均球速149.4キロが評価されて5月24日に支配下登録を勝ち取っている。5月終盤からは一軍で登板を重ね、3回2/3を投げて5奪三振と持ち味を発揮している。

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 オリックスの若手野手では、4年目の来田涼斗が打率.328、2本塁打と好成績を収めている。今季は前年からボール球の見極めなどに成長が見られ、一軍での出場機会も増えつつある。来田と同じ外野手の池田陵真は、打率.224ながら多くの四球を選んで出塁率.366を記録している。四球割合17.9%はリーグで100打席以上に立った選手の中ではトップを記録しており、ボール球の見極めに関しては非凡な能力を備えている。ただ、池田の主な守備位置であるレフトは高い打力が求められるポジションである。池田は守備力に優れる選手ではないため、今後は長打力の向上が求められるところだ。

 最後に、高卒ルーキーの成績を確認したい。ドラフト1位の横山聖哉は打撃成績でリーグ平均には届いておらずバットで少し苦戦するも、ショートの守備得点ではリーグ2位を記録するなど、ディフェンス面は今後を期待させる成績を残している。

 そして、ドラフト4位の堀柊那も捕手として多くの試合で起用されている。打撃成績では三振の少なさが特徴で、上位指名の横山聖と同等のOPSを記録。ショートやキャッチャーは優れた選手を確保するのが難しいポジションであるが、横山聖はすでに一軍デビューを果たすなど、オリックスでは高卒ルーキーがまずまずな滑り出しとなっている。

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日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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