怪我から驚異的な回復を見せた“明治大のプリンス”宗山塁 さらなる進化を遂げて目指すは大学野球4冠

瀬川ふみ子

「将来はトップチームの3番・ショートに」

とにかくストイックな宗山は今年「4冠を達成したい」と目標も高い 【写真提供:明治大学野球部】

 仲間からも「とにかくストイック」と言われる宗山に、「そんなに頑張りすぎて大丈夫? ちゃんと休めている? リフレッシュはできている?」と聞いてみると、「おいしいご飯を食べに行ったり、映画をみたり、音楽を聴いたりっていう感じでリフレッシュしています」と柔らかい笑顔をみせてくれた。同級生の水谷公省も「海外サッカーが大好きで、オフの時間はひたすらサッカーをみていますね。野球よりもサッカーが好きなんじゃないかってぐらい(笑)」。そんな一面があるのもいい。オンオフの切り替ええもうまいのだ。

 大学ラストイヤー。最初のオープン戦で骨折…というところから始まり、田中武宏監督が「(春季リーグ戦は)宗山はいないものとして戦う」と話していたが、今までコツコツと積み上げてきた努力によって、驚異的な回復をみせ、もしかしたら、“宗山が定位置にいる”リーグ戦になるかもしれない。

 どんな大学ラストイヤーにしたいか…を聞くと、「4冠(東京六大学春・秋リーグ戦優勝、全日本大学野球選手権大会優勝、明治神宮大会優勝)を達成したいです。難しいことではありますが、大きな目標です。それと、自分の安打記録だったり、タイトルというものも。欲張りですけど、チームの優勝と個人の結果、両方狙っていきたいと思います。トップチームに帯同させていただいたとき、いろんな選手に話しを聞かせていただき、いいイメージがすごく沸いているので、あとは動ければ…ですね」と目を輝かせた。一つの目標にしてきた通算100安打も、早い時期に達成できるかもしれない。

 そして、「高校3年の時、コロナで甲子園がなくなったのが自分たちの代です。今、こうして野球ができていることがどれだけ幸せなのか、当たり前ではないということを身に染みて感じたのが自分たちの世代なので、一日を無駄にせず、大切に…。両親だったり、いろんな方々の支えがあって野球ができていることに感謝しながら、この仲間と戦っていきたいです」とまっすぐ前を向いた。

「将来はトップチームの3番・ショートに」という目標を掲げる“明治大のプリンス”が、紫紺のユニホームを着て挑む大学ラストイヤーは、いったい、どんな色になるのか、どんな輝きをみせてくれるのか…乞う、ご期待。

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