最高峰の「日常」、高円宮杯U-18プレミアリーグが開幕! 高校年代の強豪チームが迎えた最初の一歩

川端暁彦

「元日本代表」の監督も誕生

「元日本代表」の監督も誕生 【撮影:川端暁彦】

 J1リーグで首位を走るFC町田ゼルビアの黒田剛監督は、青森山田を率いて参加したプレミアリーグについて「自分が監督として成長させてもらった場」と表現していたことがある。

 毎週のように強豪とのリーグ戦があり、そこへ向けて知恵を絞り、決断を下す必要があるわけで、監督力が磨かれる場であるのは間違いないだろう。リーグ戦の価値が高まったことで、残留争いは年々激しさを増しており、その点でも監督のマネジメントが「問われる」展開にはなりやすい。

 そんな場に今季新たにチャレンジする一人が、元日本代表FWの玉田圭司監督だ。新シーズンから埼玉の強豪・昌平高校の監督に外部指導員として着任し、チームの指揮を執っている。開幕戦となった7日の横浜FCユース戦は、そんな玉田監督にとっての「初陣」だった。

 その結果は0-1。1歳年少ながら指導者としては10年以上のキャリアがある元Jリーガーの和田監督が率いる横浜FCの粘り強い守備を破れず、逃げ切りを許す格好となった。試合後に「本当に悔しい」と漏らした玉田監督だが、選手時代とは異なるプレッシャーの中で采配をふるう感覚に、充実したものも感じている様子だった。

 リーグ戦については「選手の成長につなげながら、当然勝ちにいく」と言い、同時に自身の監督としてのレベルアップも図っていきたい考えも明らかにしている。W杯に2度出場した新米監督と選手たちの成長物語は、今季の昌平のリーグ戦を象徴する要素となりそうだ。

 年間を通したリーグ戦で、それぞれのチームの指導者が自分自身を含めたチームと選手のレベルアップを図りつつ、勝利を目指して互いの個性をぶつけ合う。そんな「日常」としてのリーグ戦が、今年もまた未来の日本サッカー界の土台を築いていくことになる。

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著者プロフィール

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。フリーライターとして取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。創刊後は同紙の記者、編集者として活動し、2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月からフリーランスとしての活動を再開。古巣の『エル・ゴラッソ』をはじめ、『スポーツナビ』『サッカーキング』『フットボリスタ』『サッカークリニック』『GOAL』など各種媒体にライターとして寄稿するほか、フリーの編集者としての活動も行っている。近著に『2050年W杯 日本代表優勝プラン』(ソル・メディア)がある

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