2歳の娘と共にルーキーイヤーをスタート! 22歳のママゴルファー神谷和奏の挑戦
先輩ママゴルファーからの教えも大きい
昨年のプロテストでプレー中の神谷和奏。咲凜ちゃんの存在はゴルフにも良い影響を与えているという 【Photo by Atsushi Tomura/JLPGA via Getty Images】
「茂木宏美さんと交流をさせていただく機会があったのですが、その時に言われた『すべてを手のひらの上に乗せるのは難しい』という言葉が心に残っています。自分の夢を果たすために諦めなくてはいけない部分が出てくる覚悟を持たなくてはいけないというか、一方でできる限り娘には寂しい思いをさせないように頑張ろうと思いましたし、その部分は深いです」と先輩からの言葉を大切にしている。
「大西葵さんにもアドバイスをいただきました。大西さんは練習ラウンドでしたがお子さんの写真を見て可愛いといいながらラウンドしていて、私もキャディバッグにつけて励みにしていますが、やっぱりみんな(子供と離れる)寂しい部分もありながら、それを励みに変えているし、それが強さの秘訣というか秘密があるのではないかと感じています」
「結婚したら終わりとか、期待されなくなってしまう選手がすごく多いんです。実際に私も(子供ができた後)いつまでプロテストを受けているのと言われたことがありました。それが現状というか、世の中の一部の人はそのように考えているようなので、同じ境遇にある女性に勇気を与えられるようなことができたのは良かったと思っています」
今季の目標はプロとしての1勝と家族で出かけること
そしてもう一つの目標は家族と出かけること。「いちご狩りも結婚して子供ができてから初めて行ったんですが、幼い頃からずっとゴルフばかりで、やったことがないことが多かったんです。だから、それを娘と一緒に体験したいです」。
トーナメント会場での託児所を積極利用
今季もトーナメント会場に託児所がある場合は積極的に利用したいという。「朝もギリギリまで会えて、練習が終わってからもすぐに会えるという安心感があります。保育士さんが見てくれているので、やっぱり安心ですし、本当にありがたいです」。
神谷を初めとして小さな子供と一緒にツアーを転戦する女子ゴルファーは増加傾向にあるが、その裏には大会関係者が実施しているサポート体制がある。
娘のおかげで家族との繋がりも強化
4月5日に開幕する富士フイルム・スタジオアリス女子オープンに参戦する神谷和奏(練習日に撮影) 【本人提供】
インタビューの最後に、「ゴルフを通じて神谷さんの家族の絆がどんどん深まっていますね」と筆者の感想を述べてみた。すると、「お互い支え合っている関係ができていることはとても良かったと思っています。海外のツアーですと、選手の家族が前面に出てきてとてもいいなって思っていますけど、自分の家族もそういうような関係が築ければと思います」。
小さな子供を育てながらツアーに参戦する苦労話を書くイメージだったが、完全に覆された。もちろん子育ては大変だ。しかし、子育てと自分が目標にしてきたプロゴルファーとしての活躍の両方を目指すことを神谷は心から楽しんでいるように思えた。神谷だけでなく、神谷の家族も含めて。