プロ野球12球団戦力分析(2024)

今季こそ悲願のリーグ制覇を目指すDeNA 打線の鍵を握るのは「一塁・オースティン」

データスタジアム株式会社

正捕手不在もプラスの貢献度を記録

DeNA野手:2023年ポジション別得点貢献度 【データスタジアム株式会社】

 近年は不動のレギュラーを確立できていないキャッチャー陣だが、昨季は得点貢献度でプラスを記録していた。チームで最も多くスタメンマスクをかぶった山本祐大はキャリアハイとなる71試合に出場し、後半戦は課題であったバッティングでも成長をアピール。今年3月に行われた侍ジャパンシリーズの代表メンバーにも選出されるなど、正捕手争いの先頭を走っている。その山本とともに捕手陣を支えるのが伊藤光と戸柱恭孝だ。豊富な経験を誇る伊藤は首脳陣からの信頼も厚く、プロ17年目を迎える今季も欠かせない存在となるだろう。戸柱は今季から打力を生かしてファーストにも挑戦するなど、攻撃面での期待の大きさがうかがえる。

 そして、その3選手に割って入る存在として注目なのが2022年のドラフト1位・松尾汐恩だ。今季は春季キャンプから一軍に帯同し、実戦を通して攻守で存在感を発揮。2月24日のオープン戦初戦でホームランを放つなど、開幕一軍入りへ猛アピールを見せている。

強打を誇る内野陣で求められる正遊撃手の存在

12球団で最も高い攻撃得点度を誇る二塁。全試合で4番を務めた牧が今季も打線の大黒柱だ 【写真は共同】

 内野では、二塁手の攻撃得点貢献度が12球団の内野部門で最も高い33.2を記録。全143試合に4番・セカンドでスタメン出場した牧秀悟が、今季も不動のレギュラーとして打線の中軸を担う見込みだ。同じくプラスを記録した三塁のポジションも昨季に引き続き、ベテランの宮崎敏郎が務める。3月13日のオープン戦では2打席連続本塁打を放つなど、35歳を迎える今季もバットで健在ぶりを見せている。一塁は昨季レギュラー格として出場していたソトが退団。その穴埋めとして期待されるのがオースティンだ。直近2年は故障で長期離脱を続けていたが、ここまでは順調な調整ぶりを示しており、オープン戦でも2本塁打を放っている。2021年にはリーグ最高レベルの打撃成績を残していただけに、コンディションさえ問題なければ打線の軸として期待される存在である。

 そして、チームにとって長年課題となっているポジションがショートだ。昨季は得点貢献度で大きなマイナスを計上してしまったが、キャンプから現在までに改善の兆しが見えつつある。オープン戦で2年目を迎える林琢真が攻守で存在感を示しているほか、ルーキーの石上泰輝が強打とスピード感あふれるプレーで好成績を残している。期待の若手には広い守備範囲が売りの森敬斗もいるが、先の2人がレギュラー争いは1歩リードしている状況。大きな弱点となっているショートの状況が改善するようだと、優勝争いも見えてくるところだ。

若手のアピール合戦が続く定位置争い

 昨季、すべてのポジションでマイナスの得点貢献度を記録した外野陣。その中でレギュラーの座を確実なものとしているのは、主にレフトを守る佐野恵太だろう。ディフェンス面にやや不安はあるものの、シーズン打率3割超えを3度記録したバッティングは打線に欠かせない。佐野に続く実績のあるメンバーでは、センターの桑原将志が腰痛で出遅れているほか、大田泰示が左足の肉離れで二軍調整となっている。戦力の低下が不安視されるところだが、ここまでのオープン戦では若手によるアピール合戦が活発となっている。最も注目の存在は、ドラフト1位ルーキーの度会隆輝だ。オープン戦ではデビューから11試合連続安打を放ち、4割を超える打率をマーク。即戦力として実力の一端を見せている。

 また、高い身体能力が売りの梶原昂希がオープン戦でチームトップタイの2本塁打を放ち、猛アピールを見せている。梶原は昨季二軍で外野手として非常に優秀な守備得点を記録しており、バッティングでこの調子を維持できるようであれば、攻守でチーム力の上積みが見込める選手である。昨季10年目にして初の規定打席に到達した関根大気や野手転向3年目の勝又温史などのレギュラー候補もいて、外野の選手層は厚くなったといっていいだろう。

投手陣を中心に補強を敢行、それぞれの「進化」はなるか

 日本一を果たした1998年以来、リーグ優勝から遠ざかっているDeNA。昨季は球団史上初の交流戦優勝を果たすも、ペナントレースでは3位という結果に終わった。オフにはエースとしてチームを支え続けた今永が退団し、その穴を埋めるべく投手陣を中心に補強。ともに戦力外を経験した森唯や、中川颯は新天地での飛躍を目指す。打線のカギを握るのは一塁での起用が明言されているオースティンだろう。佐野、牧、宮崎らが並ぶラインアップに助っ人大砲が加わることで、リーグ屈指の強力オーダーを組むことが可能となる。伸び盛りの若手選手も多く、開幕に向けてポジティブな要素も多い。就任4年目を迎える三浦大輔監督のもと、選手それぞれが「進化」を続け、悲願のリーグ制覇を狙う。

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著者プロフィール

日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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