プロ野球12球団戦力分析(2024)

西武は「先発4本柱」が大きな強みに 課題の外野を埋めるには、新外国人と若獅子の成長がカギ?

データスタジアム株式会社

世代交代に成功した捕手陣

西武野手:2023年ポジション別得点貢献度 【データスタジアム株式会社】

 昨季は前年オフに森友哉が移籍したことに加え、岡田雅利が故障の影響でシーズンを全休。キャッチャーは経験の浅い選手を中心に起用された事情もあり、攻撃面では他球団に後れを取ってしまった。チームの捕手で最多となる98試合でマスクをかぶった古賀悠斗は、リーグトップの盗塁阻止率を記録。11月にはアジアプロ野球チャンピオンシップで侍ジャパンの代表に選出されるなど、多くの経験を積み捕手は世代交代に成功した。

 また、昨季の4月に支配下登録された古市尊が二軍でOPS.825を記録。バットコントロールの良さを特徴としており、21歳という年齢的にも今後の成長に期待したい。そして、炭谷銀仁朗が2018年以来6年ぶりに古巣へ復帰した。バッティングでの貢献は望みが薄いものの、レギュラーの古賀を含めたバッテリー陣に豊富な経験を還元する役割が期待される。

二遊間を中心に堅い守備を見せる内野陣

 内野は、二塁の外崎修汰が攻守で高い貢献度を記録し、チームで最も強みのポジションになっている。広い守備範囲に加えて、投高打低の環境で二塁手としては優秀な長打力が高い数値につながった。その二塁に次ぐ得点貢献度を記録したのが三塁である。チームの三塁手で最も出場した佐藤龍世は、打撃でリーグトップレベルの出塁率.390を記録しただけでなく、守備でもリーグ2位の得点貢献度を記録している。今季はレギュラーとして活躍が期待されるところだが、オープン戦では結果を残せておらず状態が心配される。代わって、三塁の候補では渡部健人とヤクルトからトレードで加入した元山飛優が好成績を収めており、レギュラー争いは激しさを増している。

 そして、ショートは源田壮亮が開幕から約2カ月間の離脱があったものの、リーグトップの守備得点を記録した。入団2年目の児玉亮涼も広い守備範囲が持ち味で、バックアップも不安が少ない状況だ。そして、一塁では高い守備力でチームに貢献したマキノンがオフに退団。代わりに、メジャー通算114本塁打を記録しているアギラーがレギュラーとして予想される。打撃での実績は十分で期待も大きいところだが、守備力を含めた総合力でマキノンを上回る活躍を見せられるかは、注目したいポイントだろう。

不安の大きな外野陣

昨季は3ポジションいずれも大きなマイナスを計上してしまった外野陣。新外国人のコルデロはチーム課題の打力を埋められるか 【写真は共同】

 外野は3ポジションいずれも大きなマイナスを計上しており、チーム最大の課題になっている。昨季はチームの得点がリーグ最少と攻撃面で苦戦したが、外野手の打撃不振が深刻な得点力不足につながっている。この課題を解消すべく、オフには強打が売りの新外国人コルデロが加入した。昨季はマイナーでOPS.879、メジャーでは24試合で6本塁打とパワーは十分であり、NPBの投手に対して適応できるかどうかがカギを握るだろう。そして、残る外野の2枠は、既存選手の活躍に期待するしかない状況だ。

 その中で若手有望株として期待されるのが、長谷川信哉と蛭間拓哉の2人だろう。21歳の長谷川は昨季59試合の出場ながら、サヨナラ弾を記録するなど印象的な活躍を見せた。二軍では打率.332、OPS.880と好成績を残しており、今季はレギュラー定着に期待したいところ。2022年ドラフト1位の蛭間は、二軍で打率.298、OPS.827の好成績をマークした。ブレークが待ち望まれる2人ではあるものの、現在はともに二軍で調整中と状況は芳しくない。オープン戦では若林楽人と西川愛也が積極的に起用されているが、いずれも成績は低迷しており、今季も外野陣は大きな悩みどころとなりそうだ。打席数は非常に少ないが、近年振るわなかったベテランの金子侑司が打撃で存在感を示しており、出番を増やすかもしれない。

今年も若獅子打線をけん引する骨と牙

 近年のパ・リーグでは、打線の主軸選手が休養も兼ねてDHとして起用されるケースが増えているが、西武では中村剛也と栗山巧の40歳同期コンビが座るポジションになっている。昨季はチーム全体が貧打に苦しむ中、「骨と牙」としてファンから愛される両者はともに前年から貢献度を向上させており、まだまだ健在ぶりを示している。中村剛はケガの影響もあって88試合の出場にとどまるも、チームトップの17本塁打を記録。リーグ内のDHでも優秀な打力を依然有しており、今季も打線の中軸としてチームを引っ張っていきたい。

戦力面で恵まれているとは言い難いが…

 松井稼頭央監督が就任して2年目を迎える今シーズン。オフに一定の補強を行ったものの、今季も外野手を中心に戦力面で恵まれているとはいい難い状況だろう。それでも、多くの若手がチームの中心として活躍し始めており、希望は生まれつつある。得点力が課題の野手陣では、近年西武が獲得した外国人野手の中では上位の実績を誇るアギラーとコルデロの両助っ人が加わった。パ・リーグで活躍する助っ人野手は激減しており、両者がともに活躍するようであれば、大きなアドバンテージとなるだろう。

 課題となっている外野手でブレークを遂げる選手が現れるかどうかで、状況は一変するチーム編成となっている。

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著者プロフィール

日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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