得点力不足を補うべく補強敢行の中日 強みとなるリリーフ陣を武器に、台風の目になれるか
バットでの貢献が目立つキャッチャー陣
中日野手:2023年ポジション別得点貢献度 【データスタジアム株式会社】
近年のNPBでは、自軍の先発投手にあわせてスタメンの捕手を使い分ける起用が増加傾向にあるが、両者の打撃の特性を踏まえると相手先発投手によってスタメン起用を分けることも検討したい。というのも、右打者の木下は左投手に対して、左打者の宇佐見は右投手に対して、それぞれチームトップクラスの打撃成績を残した。リーグワーストの得点数に苦しんだ打線の中で、両者の打力は貴重な存在であり、その強みを最大限に生かすような起用は見られるだろうか。
中田翔の加入で得点力不足を補えるか
また、今春は各選手がアピール合戦を繰り広げているが、中でもルーキーの辻本倫太郎が新風を吹かせる。オープン戦では思い切りの良いスイングで長打力を発揮しており、攻撃力不足に苦しんだ二遊間で存在感を示している。二遊間の開幕スタメン争いは、ここまで辻本と村松開人が一歩リードしている状況だが、右肩の脱臼から復帰した田中幹也や右肩の故障で出遅れたルーキーの津田啓史、昨季114試合に出場しながらキャンプを二軍で迎えた龍空らの逆襲も待たれるところだ。そして、三塁手では昨季チーム2位の13本塁打を放った石川昂弥の飛躍が待たれるが、オープン戦では持ち味の長打が出ていない。プロ13年目で初めて春季キャンプを読谷で迎えた高橋周平、2年目を迎える福永裕基らの活躍も求められる状況だ。
外野は1枠を競って新戦力、若手、ベテランの争いが激化
昨年チームトップの本塁打を放った細川(写真)と岡林は、レギュラーが決定的。残り1枠の争いが激しい 【写真は共同】
残る1枠の争いが激化する中、レギュラー候補の筆頭は新外国人のディカーソンだろう。レフトの打力はリーグワーストに沈んでいたため、メジャー通算40本塁打のパワーを武器とするディカーソンの打棒にかかる期待は大きい。ここまでのオープン戦では打率1割台にとどまるものの、1本塁打を放ってボールゾーンの見極めに優れたところを示している。このほか、ベテランでは大島洋平、若手では鵜飼航丞や三好大倫、2021年のドラフト1位・ブライト健太といった選手が控える。昨季二軍でリーグ屈指の成績を残したブライトはキャンプで出遅れたものの、先日の春季教育リーグで実戦復帰。激しい争いの中で出場枠を勝ち取れるか注目だ。
勝負の3年目を迎えた立浪監督、台風の目になれるか
投打がかみ合った戦いを展開し、セ・リーグの台風の目になれるか。勝負の3年目を迎える立浪和義監督の手腕が問われる。