「銘板に名を刻め」前回準Vの報徳学園 トラックダッシュで培った団結力
センバツ出場を決めて喜ぶ報徳学園の選手たち 【梅田麻衣子撮影】
大所帯でも「仲の良さ」が自慢
チームの特徴を「仲の良さ」と語る間木主将が普段から心がけているのは、「全員への声かけ」だ。その名を全国にとどろかせる強豪だけに、チームの目標は常に高い。それだけに、「同じモチベーションで、同じ目標に向かって取り組めるように」と、大勢が同じ方向へ進むように努めている。そして、同じく名門校であり、同規模の部員数を抱える広陵を挙げて、「大人数のチームのまとめ方を尋ねたい」と打ち明けた。
団結力が試される練習メニューもある。強化練習期間に行う「トラックダッシュ」というタイム走。グループ全員が設定タイムをクリアしなければ終わらないといい、体力のみならずチーム力の向上にも効果がありそうだ。
今年、正月の練習始めには、学校から約6キロほどの甲子園球場までランニングし、歴代優勝校の名前が刻まれた銘板の前でミーティングを開いた。前回大会は準優勝だった報徳学園。「今年はここに報徳の名を」。達成すれば、史上初となる昭和・平成・令和の3元号での全国制覇が実現する。
打倒・大阪桐蔭 悔しさバネに日本一目指す
大会前に主催者が報徳学園の選手22人に実施した「将来の夢」アンケート調査結果(複数回答あり) 【毎日新聞】
報徳学園は昨年のセンバツ準決勝で大阪桐蔭と対戦し、終盤の七、八回に逆転して勝利を挙げている。一方、昨秋の近畿大会は準々決勝でぶつかり、3-4で敗れた。わずか1点差だったものの、八回から登板した右腕・森陽樹投手からは1本もヒットが打てなかった。アンケートでも、「完璧に抑えられた」「秋の対戦では手も足も出なかった」と悔しさをにじませつつ雪辱を誓っている。
将来の夢については、プロ野球選手が7人と最多で「スポーツ関係の仕事」「教師」が続いた。最速150キロの直球が武器の今朝丸裕喜投手も「プロ野球選手」と回答した。一方、西田健翔選手の夢は「整形外科医」。「2年の始めにケガをしてしまったが、自分と向き合い結果につなげることができた」と自分自身の経験も記した。
エースで主将の間木投手が「最も印象的な思い出」に挙げたのは、昨年のセンバツ決勝だった。試合は、山梨学院相手に先制点を挙げたものの3-7で逆転負け。つかみかけた紫紺の大優勝旗を逃した。チームはその悔しさをバネにあと一歩届かなかった日本一を目指す。