センバツLIVE! 全32校アンケート分析

チーム自慢は「元気と笑顔」 被災した日本航空石川、一丸となって挑む春

毎日新聞

センバツ出場が決まり喜ぶ日本航空石川の選手たち 【藤井達也撮影】

 3月18日に開幕する第96回選抜高校野球大会には全国から32校が出場します。多彩な個性を持つチームに大会前、主催者はアンケートを実施しました。回答内容には、チームの魅力や今どきの球児事情が詰まっています。

主将が見せたい不屈の姿

 1月1日に能登半島地震で石川県輪島市の校舎が甚大な被害を受け、選手たちは山梨県の系列校を拠点とするため一時避難。生活環境は一変した。しかし、宝田一慧(いっけい)主将がアンケートで「元気、笑顔」が自慢だと胸を張るチームは、夢舞台ではつらつとしたプレーを見せる日を心待ちにしている。

 日本航空石川は、航空業界に多く人材を輩出しており、今のチームにもキャビンアテンダントを目指すマネジャーがいる。スポーツも盛んで、ラグビー部も同じく今春、埼玉県で開幕する全国高校選抜ラグビーへの出場を決め、女子バスケットボール部は昨冬のウインターカップに初出場した。

 野球部は4年ぶり3回目のセンバツだが、前回の2020年は新型コロナウイルス感染拡大のため、大会は中止。さまざまな思いが重なった今回の出場決定を、今までの人生で一番感動したシーンとして挙げた選手は、宝田主将をはじめ多い。

 野球から学んだことを聞く設問で、宝田主将はこう答えた。「野球は試合が終わるまで何が起きるか分からない。何事にも最後まであきらめずに取り組むことを後輩に伝えたい」。逆境から臨むセンバツ。不屈の姿は後輩たちだけでなく、多くの人々の胸を打つはずだ。

感謝の心を胸に 甲子園で星稜と「石川対決」を熱望

大会前に主催者が日本航空石川の選手31人に実施した「将来の夢」(複数回答あり)のアンケート調査結果 【毎日新聞】

 石川県勢が2校出場する今年のセンバツ。選手たちへのアンケートからは、県内のライバルとの対決を熱望する意思が顕著に表れている。

「対戦したい学校や選手とその理由」の質問に回答した31人のうち最多の9人が星稜を挙げた。昨秋の石川県大会の決勝で対戦。九回裏に日本航空石川が2点差を追いつく大熱戦となったものの、延長十一回タイブレークの末、惜敗した。勢いづいた星稜はその後も白星を重ね、北信越大会と明治神宮大会を制し、秋の全国王者となった。「リベンジしたい」「県勢のライバルとして絶対に勝ちたい」などと、次に戦う機会に向けた気合に満ちていた。

「将来の夢」(複数回答あり)を尋ねると、9人で最多だったプロ野球選手以外に、「人の役に立つ」「人に必要とされる人になる」といった社会から求められる人材を目指す回答が目を引いた。宝田主将もこう記した一人で、好きな言葉で「恩返し」と記した。被災後、多くの温かいサポートを受けており、好きな言葉として「ありがとう」や「感謝」を挙げる選手は多い。

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