赤星が注目するドラフト候補、ブレイク期待の若手選手は? 宗山は「大学4年の鳥谷さんよりも…」

Timely!編集部

2024年注目のドラフト候補たち

二人が今年のドラフト注目選手の横綱に挙げた関西大学・金丸夢斗(左)と明治大学・宗山塁(右) 【写真は共同通信社】

 今年のドラフト候補の中で、両氏が真っ先に名前を挙げたのは、早くからドラフト1位確実と言われている明治大学のショート・宗山塁選手。「広陵高校時代から素晴らしい選手でしたけど明治大学でこれだけすごい選手になるとは思わなかった」という赤星さん。もっとも評価するポイントは「上手い!!」と絶賛する守備。送球も正確で肩も強く、「捕ってからの一連の流れを見ていると大学レベルではなくプロの世界で飯が食えるくらいの域にある」という。打撃面でも「ヒットを打つ能力も高く、内角の速いボールも対応できるし右にも左にも打てる」と高評価。守備だけではなく打撃もドラフト1位の実力があると話す。西尾さんが「鳥谷敬さん以来の大学生ショート」と言えば、赤星さんは「怒られるかもしれないけど、大学4年の段階でいえば宗山選手の方が全然上です」と断言。その理由は「鳥谷さんはプロに入ってから守備が劇的に伸びた選手だから」。

 今年は大学生の野手が豊作と言われている年だが、宗山選手の次に名前が挙がったのが青山学院大学の外野手、西川史礁選手。

「バッティングの懐が深い。(ホームラン)アーティスト的な、バットに乗せて遠くに飛ばせる打ち方をしますよね」と赤星さん。遠くに飛ばせる能力は天性の部分が大きいだけに、右の長距離砲が欲しい球団に高く評価されそうだ。

 続いて名前が挙がったのが富士大学の外野手、麦谷祐介選手。全国の舞台で下村投手、常廣羽也斗投手(広島1位)という青山学院大学が誇る二人のドラフト1位投手から逆方向にホームランを打ってその名を轟かせた。赤星さんも「あれだけの投手から逆方向に飛距離が出せるのは非常に良いバッター」とし、チームを鼓舞できるムードメーカータイプな点も評価する。大崎中央高校(宮城県)時代から見ている西尾さんは「(高校時代は)足がとにかく速かったですけど、あんなにホームランを打つタイプではなかった」と大学での変貌ぶりに目を見張る。

 大阪商業大学の外野手、渡部聖弥選手の評価も高い。「遠くに飛ばす能力がすごい」と赤星さんが評価すれば、「右方向にすごいホームランを打つ」と西尾さんも高評価。麦谷選手、渡部選手共に逆方向に大きいのが打てるのが魅力だ。

 投手で名前が挙がったのが「この二人は抜けている」と赤星さんも評価する関西大学の左腕、金丸夢斗投手と愛知工業大学の中村優斗投手。金丸投手に関しては、テイクバックの際に左手が体の後ろに入っているため左手が遅れて出てくるように見えるため「バッターが打ちづらい。スピードガン以上に速さを感じる」と赤星さん。それでいてストレートだけではなく変化球も良いだけに、大学リーグ戦18連勝中ということにも説得力が増す。赤星さんは「真っ直ぐとあのフォームだけでも今すぐプロに行っても勝負できるんじゃないか」と太鼓判を押す。

 中村投手も「このピッチャー、すごいですよ!」と赤星さんは興奮気味に話す。独特な足の上げ方でタイミングが取りづらいとフォームに言及しつつ「まず真っ直ぐが速い!!すごい球を投げる」とストレートを絶賛。さらに「斜めに大きく曲がる」スライダーを「右バッターの空振りはバットとボールが相当離れている。曲がりが大きいにもかかわらず投げた瞬間は真っ直ぐに見えているのだと思う。そこから急に大きく曲がるからバッターは大きく泳がされる」と大絶賛。

「二人とも簡単に150キロ以上投げますし、速いけどコントロールも良い。それがすごい」とは西尾さん。赤星さんは、この二人のピッチャーを「今の段階でもドラフト1位で消えるピッチャー」と断言するなど、両氏共に二人のピッチャーを高評価した。

 高校生に目を向けると、センバツで注目する選手として赤星さんが名前を挙げたのが作新学院高校の小川哲平投手。「ストレートで空振りを取れるのが素晴らしい。あとはあのガタイ。下半身がしっかりしていることでフォームがあまり乱れない。全国の舞台でもあれだけ真っ直ぐで押せるというのは、やっぱり力があるのかなと感じる」と話す。

 野手で西尾さんが名前を挙げたのが豊川高校の外野手、モイセエフ・ニキータ選手。赤星さんも神宮大会で打ったライトへのホームランを見て「打った瞬間はライトフライかと思った。あれをスタンドまで運べる力がある。高校に入って急激に体重が増えて80キロを超えたことを考えるとポテンシャルがすごく高い選手」と評価する。赤星さんは同じ左打ちの外野手、神村学園高校の正林輝大選手も「良いバッター」と評価する。昨年の夏の甲子園でも活躍したが、「左方向にも強い打球が飛ばせる、広角に打てるバッターで楽しみな選手」と話す。

 ここまで名前が挙がった選手を中心に、両氏に「ドラフト番付」を作ってもらうと、東の横綱が明治大学・宗山選手、西の横綱が関西大学・金丸投手、東の大関が愛知工業大学・中村投手、西の大関が青山学院大学・西川選手と、侍ジャパンにも選ばれている4人の大学生の名前が並んだ。続く東の関脇には富士大学・麦谷選手、西の関脇は大阪商業大学・渡部選手、東の小結は神村学園・正林選手、西の小結には「体のサイズもあって右打ちでパンチもある。高校生ショートではナンバーワン」と西尾さんが評価する花咲徳栄高校の石塚裕惺選手の名前が挙げられた。

 番付上位8人中4人が外野手となるなど、昨年から一転して今年は外野手が豊作なドラフトとなりそうだ。

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