即戦力野手3人がドラ1入団の今年はどうなる？ 過去のポジション争いを振り返る
千葉ロッテマリーンズ・中村奨吾選手（左）、東北楽天ゴールデンイーグルス・小深田大翔選手（右）※写真は2024年シーズンのもの
【球団提供】
2024年の「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」では、東北楽天・宗山塁選手、埼玉西武・齋藤大翔選手、千葉ロッテ・西川史礁選手、オリックス・麦谷祐介選手がそれぞれドラフト1位で指名。近年のパ・リーグでは珍しく、4人の“ドラ1野手”が誕生した（北海道日本ハム・柴田獅子選手を除く）。
中村奨吾選手 2015年打撃成績
【ⓒPLM】
二塁手として3度のゴールデン・グラブ賞を受賞している中村奨吾選手。1年目に開幕から一軍入りを果たすと、111試合中57試合で三塁手として出場した。そのほか、二塁、遊撃、外野も守り、ユーティリティ性を発揮した。
今江敏晃氏 2014・2015年打撃成績
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中村選手の入団前、主に三塁手を務めていたのは今江敏晃氏だ。2010年以降、5年連続で規定打席に到達。2010年には打率.331、2013年には打率.325を記録するなどチームの顔として活躍していた。しかし、中村選手入団後の2015年は7月に死球による左手手首骨折の影響もあり、出場機会が減少。同年オフには東北楽天へのFAによる移籍が発表された。
【2016年】オリックス・吉田正尚（現レッドソックス）
吉田正尚選手 2016年打撃成績
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吉田正尚選手は指名打者としての起用もありながら、54試合で外野手として出場。1年目から10本の本塁打を放ち、規定打席未達ながらもOPS.854をマークするなど大器の片鱗を見せた。
2015年度 オリックス・バファローズ外野手 成績（上）、2016年度 オリックス・バファローズ外野手 成績（下）
【ⓒPLM】
前年のオリックス外野手陣は、7年連続規定打席到達を果たした糸井嘉男氏を筆頭に、クリーンナップを担ったT-岡田氏、出場試合数、安打数、打点でキャリアハイをマークした駿太選手が務めていた。
辰己涼介選手 2019年打撃成績
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4球団競合の末、立命館大学から東北楽天に入団した辰己涼介選手。1年目の2019年は5月以降中堅手として起用され、124試合に出場。チームトップの13盗塁をマークした。
2018年度 東北楽天ゴールデンイーグルス外野手 成績（上）、2019年度 東北楽天ゴールデンイーグルス外野手 成績（下）
【ⓒPLM】
2018年の東北楽天外野手陣は、2年目ながら18本塁打＆21盗塁を記録するなどブレイクを遂げた田中和基選手、前年全試合出場を果たした島内宏明選手がレギュラーとして活躍。また、残る1枠はオコエ瑠偉選手やペゲーロ氏らが争うも、岡島豪郎選手が100試合以上で外野の守備に就いた。
【2020年】東北楽天・小深田大翔、福岡ソフトバンク・佐藤直樹
2019年ドラフトでは佐藤直樹選手、小深田大翔選手がともに社会人を経て1位指名を受けた。佐藤選手はJR西日本から福岡ソフトバンクへ。1年目の2020年は一軍出場こそなかったものの、ウエスタン・リーグでは20盗塁（失敗0）を記録し盗塁王に輝いている。
小深田大翔選手 2020年打撃成績
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小深田選手は大阪ガスから東北楽天に入団し、1年目から112試合に出場。437打席に立ち規定打席に到達した。打率.288はチーム内2番目の数字で、リーグ全体で見ても6位の成績。また、17盗塁はチームトップで、2023年盗塁王はルーキーイヤーからその存在感を放っていた。
茂木栄五郎選手 2019・2020年打撃成績
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一方、2019年に遊撃手としてスタメンの地位を確立していた茂木栄五郎選手は、大きく出場機会を減らした。腰痛の影響で9月30日に一軍登録抹消され、そのまま11月のシーズン終了を迎えたこともあり、打率.301を記録しながらも入団以来初めて出場試合数が100試合を下回る。
渡部健人選手は4月4日に一軍昇格し、同日プロ初スタメン・初出場を果たすと、第3打席で和田毅氏からプロ初安打となる本塁打を放ち鮮烈なデビューを飾った。しかしその後は安打もなく、計6試合で16打数で7三振を喫するなどプロの洗礼を浴び、レギュラー奪取とはならず。一方、イースタン・リーグでは本塁打（19）と打点（64）でリーグトップの成績を残し、個人タイトル二冠に輝いている。
蛭間拓哉選手 2023年打撃成績
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蛭間拓哉選手は開幕から二軍での生活が続いたものの、6月に一軍昇格を果たし、出場3試合目にはプロ初本塁打をマーク。徐々に出場機会を増やし、8月には月間打率.294とブレイクの兆しを見せた。しかし、9月は月間打率.167と調子を落とし、56試合、打率.232で1年目のシーズンを終えている。
2022年度 埼玉西武ライオンズ外野手 成績（上）、2023年度 埼玉西武ライオンズ外野手 成績（下）
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2022年の埼玉西武の外野手陣では、新加入のオグレディ選手が最多出場。愛斗選手もキャリアハイの数字を残しブレイクの兆しを見せた。一方、残る1枠は鈴木将平選手をはじめ川越誠司選手、岸潤一郎選手、金子侑司氏がそれぞれ40試合以上出場と、熾烈な争いが繰り広げられていた。
上田希由翔選手 2024年打撃成績
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主に一塁手（11試合）と三塁手（9試合）として出場した上田希由翔選手。4月3日にプロ初出場、翌4日にはプロ初安打をマークと順調なスタートを切った。同月に一軍登録抹消となるも、再昇格後の6月は月間打率.281とアピールを続けた。しかし、7月2日の試合で右太ももを負傷し再抹消。そのままシーズンを終えている。
山口航輝選手 2023・2024年打撃成績
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前年度、主に一塁手を務めていたのは山口航輝選手だ。ところが、ソト選手の加入により、シーズン初めから山口選手の外野起用が増加。山口選手自身も不振に陥り出場機会を大きく減らしている。
直近10年を見る限りでは、即戦力のドラフト1位野手の加入後はポジション争いが激化している。同ポジションの選手が、オフにFA権の行使やトレードによって退団するケースも珍しくなく、他のポジションにまで影響を与えることもあり、チーム内の競争力を高めることに一役買っていることは間違いない。