M・デムーロが惚れ込む砂の新星、GI戦線へ重賞3連勝狙う! 2.29かきつばた記念展望

スポーツナビ

昨年はウィルソンテソーロが重賞初勝利を挙げて飛躍の舞台となったかきつばた記念、今年もGI戦線を目指し豪華メンバーがそろった 【提供:愛知県競馬組合】

 愛知県・名古屋競馬場で2月29日(木)、JRAと地方所属馬が対決するダートグレード競走JpnIIIかきつばた記念が1500mダートで行われる。これまで春のゴールデンウィークの時期に開催されていたが、今年から「全日本的なダート競走の体系整備」による短距離路線の拡充に伴い2月に変更。これにより5月に船橋競馬場で行われる春のダートマイル王決定戦JpnIかしわ記念に向けたステップレースへと生まれ変わった。加えて、負担重量もこれまでのハンデキャップからグレード別定に変更となったことも忘れてはいけない。

 サウジカップ遠征により日本のダートトップホースが不在の中で行われたJRA・GIの開幕戦フェブラリーステークスは11番人気ペプチドナイルが勝つ波乱で幕を閉じたが、かきつばた記念からも春の国内王者へ名乗りを挙げる新勢力は出てくるのか。有力馬の紹介と展望をしていこう。

重賞連勝中、充実のサンライズホーク

 まず、一番の有力馬として挙げたいのがJRAのサンライズホーク(セン5)。ここ2戦、ダートグレード競走のJpnIIIサマーチャンピオン、JpnIII兵庫ゴールドトロフィーを連勝。オープンクラスに昇級した1年前の今頃は10、6、9着と壁にぶち当たっていたが、ここに来て完全に本格化した印象だ。

 芝でのデビュー戦で大敗後、すぐにダートに転向し4連勝で一気のオープン入りを果たしたように、もともと高い素質を見せていた馬。近2走での変身の要因は「距離延長」と「ブリンカー」にある。上級のスピード自慢がそろうオープンの1200mでは頭打ちとなったことから、道中の運びが楽になるように距離を200m延ばし、集中力を高めるためにブリンカーを装着。これはいずれもミルコ・デムーロ騎手の進言によるものだという。

 これがズバリと当たり、1400m初戦のサマーチャンピオンでは気分良くハナを切ってそのまま逃げ切り。続く兵庫ゴールドトロフィーは2番手の好位から抜け出す横綱相撲。デムーロ騎手が「すごく良い馬」と惚れ込む逸材が、真の飛躍へと大きな翼を広げ始めたと言っていい。

 また、2月18日のフェブラリーステークスにも登録があり出走できる資格は得ていたが、回避してこちらに矛先を定めたという経緯もある。これは賞金を着実に加算し、かしわ記念、さらに1年の大目標・JBCスプリントの出走権利を確かなものにするためだろう。今年のJBCは佐賀競馬場での開催であり、昨年のサマーチャンピオンと同じ舞台。サンライズホーク陣営にとってはどうしても譲れないチャンスなのだ。

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重賞4勝のシャマル、4歳代表のぺリエール

 JRAからはダートグレード競走4勝のシャマル(牡6)もエントリー。JpnIマイルチャンピオンシップ南部杯3着も含め、重賞実績ではサンライズホークを上回っている実力馬だ。昨年は3月の高知・JpnIII黒船賞を快勝し幸先良いスタートを切ったものの、5月のJpnIIさきたま杯ではスタートでバランスを崩した影響で競走中止、続くGIIIプロキオンステークスでも馬場入場後に右前肢ハ行を発症して競走除外と不運続き。復帰戦の前走、今年1月28日のGIII根岸ステークスも7着と振るわなかったが、叩き2戦目の今回で本来の実力を発揮できれば巻き返しは可能だろう。

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 素質ならぺリエール(牡4)も負けてはいない。昨年のGIIIユニコーンステークスの勝ち馬で、2歳時には全日本2歳優駿でデルマソトガケから0秒2差の3着、3歳春にはドバイに遠征しUAEダービー4着の実績もある。4歳世代の上位を形成する1頭だ。この馬も将来のGI戦線に向けて、ここで賞金を加算したい。ただ、前走のGIII武蔵野ステークス9着を含め古馬相手のここ2戦が1番人気を裏切る結果となっているため、年上世代との力関係がカギになる。

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