早大が集団走で「決して前には出ない」理由 花田監督の教え、転機になった1冊との出会い

生島淳
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【写真は共同】

 正月の風物詩・箱根駅伝では、100年の歴史の中で数々の名勝負が繰り広げられ、瀬古利彦(早稲田大)、渡辺康幸(同)、柏原竜二(東洋大)らスター選手、澤木啓祐(順天堂大)、大八木弘明(駒澤大)、原晋(青学大)ら名監督が生まれてきた。

 今やテレビ中継の世帯視聴率が30%前後を誇る国民的行事となっている。なぜここまで惹きつけられるのか――。45年以上追い続けてきた著者・生島淳がその魅力を丹念に紐解く「読む箱根駅伝」。生島淳著『箱根駅伝に魅せられて』から、一部抜粋して公開します。

瀬古利彦氏から「マンツーマンで面倒を見る」と勧誘されるも…

 2022年6月に、早稲田に花田勝彦監督がやってきた。早大構内で行われた記者会見では、「なんだかホームに帰ってきたような気持ちです」と話していて、「花田さんにとって、いるべき場所は早稲田だったのかな」、と個人的に感じていた。

 花田さんは彦根城内にある彦根東高校出身。最近では野球部が甲子園に出場しているが、のちにオリンピック選手となる花田さんが高校生の時の陸上部の顧問は、数学の先生で陸上の素人だった。
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