駅伝中大を劇的復活に導いた藤原監督 無鉄砲さ、情熱があったからこそできた荒療治

生島淳
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今春の第99回箱根駅伝で総合2位となった中央大。名門復活までの道のりは平坦なものではなかった 【写真は共同】

 正月の風物詩・箱根駅伝では、100年の歴史の中で数々の名勝負が繰り広げられ、瀬古利彦(早稲田大)、渡辺康幸(同)、柏原竜二(東洋大)らスター選手、澤木啓祐(順天堂大)、大八木弘明(駒澤大)、原晋(青学大)ら名監督が生まれてきた。

 今やテレビ中継の世帯視聴率が30%前後を誇る国民的行事となっている。なぜここまで惹きつけられるのか――。45年以上追い続けてきた著者・生島淳がその魅力を丹念に紐解く「読む箱根駅伝」。生島淳著『箱根駅伝に魅せられて』から、一部抜粋して公開します。

2013年からの「負のスパイラル」

 2023年の箱根駅伝で、駒大に次いで2位に入ったのが中央大学だった。なぜだか、子どものころか中大には思い入れがある。当時から最多優勝を誇っていた名門だし、白に真っ赤な「C」のマークが入ったユニフォームは、いつ見ても美しいと思う。

 中大は1996年に総合優勝しているが、この時に4区を走ったのはいま創価大学の監督を務める榎木和貴だった。その後も藤原正和(現・中大監督)、上野裕一郎(前・立教大学監督)らのスターランナーをそろえ、確実にシード権を手にしてきた。

 ところが、中大は2013年から「負のスパイラル」に入ってしまう。13年の箱根駅伝は強風が吹き荒れ、レース自体も荒れた。中大は5区の山中で棄権を余儀なくされ、連続シード権の記録は28回で途切れた。
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