連載:大谷翔平が席巻するMLB後半戦の行方

「井口資仁×五十嵐亮太」対談で徹底解説! 大谷翔平とMLB日本人ルーキーのいま

丹羽政善

吉田、千賀、藤浪が活躍している要因を検証

メジャー挑戦1年目の吉田正尚が適応できたことに対する井口氏と五十嵐氏の見解とは? 【写真:Getty Images】

 第3回は、その他の日本人選手について。

 昨年まで、相手チームの監督として、どう吉田正尚(レッドソックス)を抑えるかに腐心してきた井口さんは、いまの状態をどう見ているのか。また、吉田は、イチローさん以来となるルーキーの首位打者を獲得できるのか? 2人が、吉田の適応力の高さについて語る。

 また、千賀滉大(メッツ)の強みも、同様に適応力だと2人は指摘した。メッツはジャスティン・バーランダー、マックス・シャーザーをトレードで放出してしまったが、今季、彼ら以上にきっちりローテーションを守り、結果を出してきたのが千賀。日本時代とはすべての球種でグリップ(握り)を変えたが、「やらざるを得なかった」と五十嵐さん。昨年までは、ロッテの監督として、ソフトバンクの千賀をどう攻略するか考えていた井口さんも、そうした点に感心した。

 開幕を先発として迎えたものの、4月下旬からリリーフに回り、しばらくは不安定だったが、5月終わりから結果を出し始めると、リーグ最低勝率のチーム(アスレチックス)から、最高勝率(オリオールズ)へトレードされた藤浪晋太郎。

 五十嵐さんは、「左手を出すタイミングが変わった」と、メカニックの変化を指摘。それによってどんな影響が現れたのか。今度は井口さんが五十嵐さんに問いかけた。

 濃い1時間の最後を締めくくったのは、最後の2カ月、2人が注目する日本人選手について。一人ずつ挙げてもらった。プレーオフと関わってくるといえば、わかるだろうか。

 いずれにしても解説を聞く前と後とでは、大谷の各打席、登板の見方が異なってくるはず。必見の3本だ。

(企画構成:株式会社スリーライト)

井口資仁(いぐち・ただひと)

1974年12月4日生まれ。国学院久我山高から青山学院大を経て1996年ドラフトでダイエーから1位指名を受けて入団。ダイエー時代には盗塁王(2001年44盗塁、2003年42盗塁)を2度獲得するなど2度の日本一へ導く。2005年からメジャーに挑戦すると移籍1年目からレギュラーに定着し、ホワイトソックスのワールドシリーズ制覇に貢献。2009年、ロッテに移籍し日本球界復帰。2010年、不動の3番としてチームを引っ張り、日本一に大きく貢献した。2013年、史上5人目となる日米通算2000安打を達成。2017年シーズン限りで現役引退。2018~2022年、ロッテの監督を5年間務め、現在は野球評論家として活躍中。

五十嵐亮太(いがらし・りょうた)

1979年5月28日生まれ。敬愛学園高から1997年ドラフトでヤクルトから2位指名を受けて入団。2004年9月の阪神戦、当時日本人最速タイ記録となる158キロを3球続けて投じた。同年、最優秀救援投手(42SP)のタイトルを獲得した。2010年からメジャーに挑戦し、メッツなど4球団を渡り歩く。2013年、ソフトバンクに移籍しNPB復帰。2014年、リーグ最多の44ホールド、防御率1.52をマークし日本一の立役者となる。2019年、古巣ヤクルトに移籍すると、史上4人目となる日米通算900試合登板を達成。2020年シーズン限りで現役引退。引退後は、野球だけではなく様々な領域に挑戦中。

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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