今夏の高校野球「フォロー増加数」トップ20は? 波乱&激戦の地方大会を振り返る【10位~1位】

三和直樹

4年ぶりの夏甲子園出場を決めた花巻東。高校通算140本塁打の佐々木麟太郎(3年)は聖地でアーチを放てるか。 【写真は共同】

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 その中で今夏、波乱&激戦が続いた地方大会で、最も「フォロー数」を増やした高校はどこなのか。甲子園に出場する49の代表校が出揃った段階でランキングトップ20を発表し、各チームの地方大会での戦いぶりを振り返りたい。10位から1位は注目校が目白押しだ。

10位:広陵(広島)

5年ぶり24回目の夏甲子園出場

 今春のセンバツ大会で4強入りした後、春の広島大会を制し、さらに中国大会も制したチームが、力強く5年ぶりの夏の甲子園切符を手にした。

 盤石だった。2回戦で大竹を9対0、3回戦で広島城北に9対0とともに7回コールド勝ち。4回戦では昨夏準優勝校の尾道を相手に終盤に追い上げられたが、6対3で逃げ切り勝ち。続く準々決勝では如水館を相手に高尾響(2年)が5安打完封の好投で3対0の勝利を収めると、準決勝ではプロ注目の強打者・真鍋慧の本塁打から得点を重ね、高尾も得点を許さずに10対0の完勝を収めた。

 迎えた広島商との決勝戦は1点を争う接戦となった。伝統校対決になった5番・只石貫太(2年)が先制の犠牲フライと勝ち越しの2点タイムリーと3打点の活躍を見せると、投げては高尾がこの日も安定感抜群のピッチングで9回6安打10奪三振2失点の完投勝利を収めた。

 新チーム発足から県内負けなしで、公式戦で敗れたのは昨年11月の神宮大会決勝の大阪桐蔭(5対6)と今年3月のセンバツ大会準決勝の山梨学院(1対6)の2試合のみ。その2校がいない今夏の甲子園では、悲願の夏制覇への期待が高まっている。

9位:専大松戸(千葉)

2年ぶり3回目の夏甲子園出場

 激戦を勝ち抜き、昨秋、今春に続いて3大会連続で千葉県制覇を達成して甲子園にたどり着いた。

 しぶとく、勝負強かった。2回戦で検見川を10対1、3回戦で市松戸を7対0、4回戦で我孫子を14対0といずれもコールド勝ちで危なげなく勝ち上がった後、「150キロ右腕対決」と注目された5回戦では、エースの平野大地(3年)が5安打2失点で投げ勝って6対2の勝利。続く準決勝では志学館を相手に、2番・清水友惺(2年)、9番・宮尾日向(3年)のホームランに3番・中山凱(2年)の4安打4打点の活躍など計18安打をマークし、15対7で勝利した。

 迎えた習志野との決勝戦は初回から点の取り合いとなり、7回を終えて5対7と2点ビハインドを背負った。だが、8回裏に無死2、3塁から内野ゴロ2本で同点に追い付くと、続く9回裏には2死2塁から9番・宮尾が右中間へサヨナラタイムリーで乱戦を制した。

 エースの平野が夏の甲子園でどのようなピッチングを披露するのか。4番・吉田慶剛(3年)を中心として打線も下位まで切れ目がなく、上位進出の実力を有している。

8位:花巻東(岩手)

4年ぶり11回目の夏甲子園出場

 新チームとなった昨秋、そして今春と連続優勝を果たして県内では敵なし。迎えた今夏も苦戦した試合はあったが、最終的には圧倒的な強さを誇示して岩手を制した。

 初戦となった2回戦は盛岡市立を11対1でコールド勝ち。苦戦したのは続く3回戦だった。水沢商を相手に序盤に2点を奪われると、打線が5回までは散発2安打と抑え込まれる。それでも7回に5番・北條慎治(3年)が同点2ランを放つと、延長タイブレークの11回に久慈颯大(3年)、小林然(3年)のタイムリーで3点を勝ち越し、5対2で勝利した。

 “山場”を乗り越えた後は“圧倒”だった。準々決勝で盛岡誠桜を8対1、準決勝で盛岡一を10対4、そして決勝でも打線が13安打10得点を挙げると、投げては小松龍一(3年)が3安打無失点で17奪三振の快投劇で、盛岡三を10対0の大差で下した。

 高校通算140本塁打を誇る佐々木麟太郎(3年)は、コンディションに問題を抱えたこともあって地方大会ノーアーチに終わったが、“主砲不振”でも勝ち抜いたことはチームとして大きい。聖地で佐々木が爆発すれば、深紅の優勝旗にも手が届くはずだ。

7位:愛工大名電(愛知)

3年連続15回目の夏甲子園出場

 苦しみながらも勝負どころで力を発揮し、全国最多173チームの激戦の愛知大会を勝ち抜いた。

 昨秋は地方大会決勝で東邦に0対1、今春は準決勝で至学館に0対4で敗れたチームは、夏初戦となった3回戦でいきなり苦戦を強いられた。初回に3点を先制しながら5回に一挙4点を奪われる展開となり、9回2死まで追い込まれた。だが、1死2、3塁からのファーストゴロで併殺ゲームセットと思われた場面を乗り越え、寺田純平(3年)の逆転タイムリーで5対4の劇的勝利を収めた。

 辛うじて初戦を突破した後は、4回戦で名城大付を3対0、5回戦で愛知を10対0、さらに準々決勝では享栄を相手にも10対0の大勝を収めて勝ち上がると、準決勝では中部大春日丘に8対5で競り勝った。そして中京大中京を相手にした決勝戦では、エース・笹尾日々喜(3年)が9安打を打たれながらも3失点完投、4対3で歓喜の瞬間を迎えた。

 夏の愛知大会3連覇は16年ぶりのこと。2021年は1回戦敗退も、2022年はベスト8入り。迎える今夏は、ベスト4以上をしっかりと見据えて甲子園に乗り込む。

6位:慶応

5年ぶり19回目の甲子園出場

 破壊力抜群の強力打線で全国最激戦区と言われる神奈川の頂点に立った。

 昨秋は地方大会決勝で横浜に3対6で敗れたが、春の地方大会では優勝を飾った。その自信を手に、今夏も2回戦の白山を12対2、3回戦で津久井浜を7対0、4回戦で相模原を10対0、5回戦で市ケ尾を8対1と4試合連続のコールド勝ち。準々決勝の横浜創学館戦では3番・加藤右悟(2年)、5番・延末藍太(3年)が本塁打を放って7対2で退けた。

 その打線の「格」が上がったのが、準決勝の東海大相模戦で、強敵を相手に加藤、延末の2戦連発弾に渡邉千之亮(3年)も豪快なアーチを放って計14安打、12対1という大差で6回コールド勝ちを収めた。そして横浜と対峙した決勝戦では、3対5と2点を追う9回表に渡邉が起死回生の3ランを放って逆転勝ち。エースの小宅雅己(3年)を中心とした投手陣も大会を通して安定したピッチングを続け、2018年以来の夏甲子園にたどり着いた。

 今春のセンバツ大会は、初戦で仙台育英対と対戦して延長10回1対2という惜敗を喫した。リベンジを果たし、1916年以来となる107年ぶりの優勝を目指す。

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著者プロフィール

1979年1月1日生まれ。大阪府出身。学生時代からサッカー&近鉄ファン一筋。大学卒業後、スポーツ紙記者として、野球、サッカーを中心に、ラグビー、マラソンなど様々な競技を取材。野球専門誌『Baseball Times』の編集兼ライターを経て、現在はフリーランスとして、プロ野球、高校野球、サッカーなど幅広く執筆している。

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