「もっと多くの人に“バファローズ沼”にハマってほしい」 オリックス広報が手がける「蔵出しノート」とは

エディット

【オリックス・バファローズ公式HPより】

書いて良かったと思えた“チームのお母さん”の記事

――これまで西田さんが取材した中で、特に印象に残っている記事を教えてください。

 元BsGirls(球団公式ダンス&ヴォーカルユニット)のMIYUさんのネクストステージを紹介した記事はとても悩んで書いたのを覚えています。やはり人に迫る記事は、その人の芯を捉えた記事にしたいですし、取材対象者が光る記事にしたいので気合いが入ります。その記事では、どのメディアにも出ていない情報を書くことになったので、「自分の記事次第でひょっとしたら彼女に対する皆さんの印象が変わるかもしれない」と思って、すごく慎重に書きました。

 ほかにも、30年にわたってチームを支えてくださった球団職員の上岡千夜子さんの記事は特に思い入れがあります。上岡さんはチームのお母さん的存在で、私自身も悩みを相談するくらいもともと親しかったんです。そういう間柄だったこそ、上岡さんもうそ偽りのない言葉で話してくださり、筆も進みました。自分自身がすごく感謝している方だったので、上岡さんの記事が書けたことはすごくありがたかったですし、書いてよかったと思えた記事になりました。記事を公開した後の、周りの方やSNSでの反応もうれしかったですね。
――記事に対するファンの皆さんの反応もよくチェックしているのでしょうか。

 そうですね。特に「蔵出しノート」を始めた頃は、ファンの方から寄せられたSNSのコメントをスクリーンショットに全部撮って、しんどいときに見返したりしていました。その頃は「自分は書くことに向いていないのかもしれないのに、やってていいのかな」といろいろ悩むこともあったので、皆さんの声が励みになったんです。

 最近は、「蔵出しノート好きです」とか「蔵出しノート、毎日更新してほしい」と“蔵出しノート”っていうワードを出してコメントをいただくことが増えたので、すごくうれしいですね。

――蔵出しノートの記事を更新する中で、大変だと思うことはありますか。

 本当に行き当たりばったりで、思うようにいかないこともたくさんあります。開設から1年以上たっても「来週のネタどうしよう」って思うことがいまだにありますから(笑)。でも、やっぱり球団のことをもっと知ってもらいたいんです。自分自身もまだ見えていない球団のよさを発信していきたいし、もっと深堀りしていきたいと思っていることが原動力になっています。

より多くの人に“バファローズ沼”にハマってもらうための土台を

――今後、「蔵出しノート」でどんな記事を書いていきたいですか。

 もう少しファームのことを取り上げたいですね。ファームってちょっと行きにくいと感じる方や、「二軍より一軍を応援したい」と思う方もいるかもしれませんが、実はすごく面白い企画や取り組みもやっていますし、そこで働く人たちもすごく魅力的なんです。

 ほかにも、球団には私と同じように全然違う業界からの転職組が多くて、自分の特技や強みを生かしながら働いている人がたくさんいます。実はすごくプロフェッショナルな集団なんです。そういった人たちの思いや考えはこれからも取り上げていきたいなと思います。球団内にいる自分が面白いと思う視点を大事にして、記事にしていきたいですね。

 そして、「蔵出しノート」を通じて、オリックス・バファローズという球団をいろんな方向から好きになってほしいです。もっと多くの人に“バファローズ沼”にハマってほしいから、そのための沼を掘る一助になりたい。「バファローズにはこんな面白い話があるんや!」って、どっぷりと沼にハマってもらえるような土台づくりをしていきたいですね。

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