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佐々木朗希のアメリカにおけるリアル評 3年後に年俸総額2~3億ドルでMLB入りか

杉浦大介
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WBCで本場アメリカのマウンドに立った佐々木朗希。投球内容はベストではなかったが、メジャーではすでに一番のプロスペクトという評価が確立されている 【Photo by Eric Espada/Getty Images】

 東北が生んだ“令和の怪物”、佐々木朗希──。岩手・大船渡高時代から注目を浴びていた豪腕は、ロッテ入団後も順調に成長を続け、先のワールドベースボールクラシック(WBC)では本場アメリカのファンやメジャー関係者も唸らせた。気になるのは、この21歳の超逸材が、いつ太平洋を渡るかだろう。NY在住のスポーツライター、杉浦大介氏が関係者の証言を集め、現地における佐々木朗希の「リアル評」を届けてくれた。

大谷が“ユニコーン”なら佐々木は──

「私たちのスカウト陣も精力的に動いている。とてつもない能力を持った投手だ。才能、若さなども含めた総合的な判断で、『これまでに日本から出てきたピッチャーの中で最高の素材かもしれない』という声も届いている」
 
 あるメジャーリーグチームのエグゼクティブが、そう絶賛するほどのピッチャー。それが“令和の怪物”こと、佐々木朗希(ロッテ)である。
 
 昨年、2試合連続完全試合の大偉業にあと一歩まで迫った(編集部注:記録達成がかかった昨年4月17日の日本ハム戦は、完全試合を継続しながらも将来を考えて8回で降板となった)あたりから、アメリカでも話題になっていた若き豪腕は、今春のワールドベースボールクラシック(WBC)でついに本場のマウンドに初登場。メキシコとの準決勝で見せた4回3失点という投球はベストのものではなかったかもしれないが、それでも素材の素晴らしさは明白だった。

「メキシコ戦ではいきなり絶好調のランディ・アロザレーナ(レイズ)と対峙し、100マイル(約160キロ)以上の速球を2球、90マイル(約145キロ)以上のスプリッターを2球投げ、最後はど真ん中の真っ直ぐで三振に取ってしまった。アンビリーバブルだよ。喧伝されていた通りの投手だ。大谷翔平(エンゼルス)は“ユニコーン”と称されているが、佐々木も映画『ネバーエンディングストーリー』に出てくる神話上の動物であるのかのよう。現実世界の人間がマジカルアームを手に入れたような感じだ」

 佐々木が登板した日本でのチェコ戦、アメリカでのメキシコ戦をどちらも現場取材した『MLB.com』のマイケル・クレア記者の言葉には、実感がこもっていた。

 こうして、ようやく世界中の多くの人間が初めての“朗希体験”を果たした。現在アメリカで投げていない投手の中では最高級の素材であり、同時にメジャー基準で見ても一番のプロスペクト(若手有望株)という評価は、すでに確固たるものになった感がある。
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著者プロフィール

東京都生まれ。日本で大学卒業と同時に渡米し、ニューヨークでフリーライターに。現在はボクシング、MLB、NBA、NFLなどを題材に執筆活動中。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボール・マガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞・電子版』など、雑誌やホームページに寄稿している。2014年10月20日に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)を上梓。Twitterは(http://twitter.com/daisukesugiura)

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