表現を磨く宇野、2026年五輪を見据える鍵山、新たなジャンルに挑む三浦 日本男子を牽引する3人が新プログラムを披露

沢田聡子

ビートルズの名曲で滑った宇野

 そして3月の世界選手権で連覇を果たした宇野は、午後の公演でビートルズの名曲『Come Together』を使うエキシビションナンバーを披露した。『Come Together』について、宇野はショートプログラムとして滑ることも考えていたという。

「今年作るすべてのエキシビションが、ショートプログラムの候補だと思ってやっていますが…『これ(『Come Together』)をショート用に変えるのは難しいんじゃないかな』というのもあるので、可能性は低いと思っています」

 ビートの効いたワイルドな『Come Together』に乗り、宇野は力強い表現をみせている。「自分でも滑るのが楽しみなプログラムになっています」と語った宇野の、表現に力を入れていくという強い意志が感じられた。

 日本で唯一のプロスケーターチームによるアイスショー・プリンスアイスワールドでは、エンターテインメントのプロであるチームメンバーが圧巻の滑りをみせる。宇野は「今年もこのプリンスアイスワールドの一員となれて、すごく嬉しく思います」とした上で、チームメンバーに敬意を表している。

「試合とはまた違ったアイスショーならではの魅せ方というのが、僕もプリンスアイスワールドのメンバーを見習って演技できるように、頑張りたいと思います」

 表現面にベクトルが向いている今の宇野には、プリンスアイスワールドチームのショーマンシップが輝いてみえるのかもしれない。

 日本男子を牽引する3人が披露した新しいプログラムが来季どんな完成形をみせるのか、楽しみに待ちたい。

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著者プロフィール

1972年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。主に採点競技(アーティスティックスイミング等)やアイスホッケーを取材して雑誌やウェブに寄稿、現在に至る。

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