村田諒太が“恩師の涙”で気づかされたこと 「負けて泣くことはないよ。泣くほど練習していないじゃないか」
2006年のドーハアジア大会では大差で敗れた村田。当時の自分自身を「本気で勝負して傷つくことを恐れていた」と振り返る 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
「強さとは何か」を追い求めてきたボクサー村田諒太の『世紀の一戦』までの半年間を綴ったドキュメンタリー。
コロナ禍で 7 度の中止・延期という紆余曲折を経て、最強王者ゴロフキンとの対戦に至るまでの心の葛藤、スポーツ心理学者の田中ウルヴェ京さんと半年間にわたって続けてきたメンタルトレーニングの記録、虚栄や装飾のないありのままの村田諒太を綴った一冊から一部を抜粋して公開します。
自分を認めることができる試合をする
僕の方も準備は整っていた。もうボクシングそのものに迷いはない。自分のやるべきことは決まっている。先に仕掛けて、自分の得意な距離で休まず攻め続けるのみだ。
この頃、僕は練習に向かう前にホテルの部屋で瞑想することが多くなっていた。以前から自宅の和室で座禅を組んでみたり、瞑想をしたりすることは好きで取り入れていた。人一倍、考えすぎてしまう性格なので、頭と心を休める時間が必要なのだ。
自分の戦い方は既に定まっているのだから、これ以上、余計なことを考えたくなかった。1人でいる時間がとても長いので、どうしてもあれこれ考えてしまいがちになる。やはりホテルに1人でいるときが一番ビビっていた。⾏動と共に勇気があるとすれば、思考とともにあるのは恐怖である。
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