――3連覇を狙うヤクルトはここに登場。

　2連覇中のチームを4位にするには迷いましたが、過去2年に比べると、不安要素の方が多いかなと……。打線は、村上宗隆選手の存在が大きすぎる分、徹底マークに遭うのは間違いありません。その中で、前を打つであろう山田哲人選手の数字が少しずつ落ちているのが気がかりです。サンタナ選手、オスナ選手の長打力で、どこまで得点を増やしていけるかが、優勝を争うカギになると思います。

――投手陣はどう見ていますか？

　クローザーのマクガフ投手が抜けたところに、誰が入ってくるかですね。速球が武器の新外国人・ケラ投手の名前が挙がっていますが、一昨年にトミー・ジョン手術を受けている投手です。ヒジの回復具合やコンディション含めて、1年間クローザーを任せることができるか。このあたりは、開幕してみないとまだ見えてこない未知数な点です。

――5位は広島。

　正直、4位までの球団と、残りの広島と中日を比べると、チーム力に差を感じます。西川龍馬選手、坂倉将吾選手、小園海斗選手ら、勢いのある若手野手が育ってきていますが、1年間戦うとなると投手陣に不安が残ります。

――坂倉選手は、本格的にキャッチャーに挑戦する1年になりそうです。

「打てるキャッチャーを育てる」というコンセプトであれば、1年間使い続けてほしいですね。

――新井貴浩新監督への期待はいかがでしょうか？

　キャンプ時に話を聞いたときには、「ぼくはお笑い担当ですから」と言っていましたが、新井監督のキャラクターによって、チーム全体が明るい雰囲気になっています。それがいい方向に出るかどうか。明るくなった分、おそらく今までであれば厳しく指摘していたようなミスに対して、見逃してしまう場面がありました。厳しい練習で強くなってきたのが広島の伝統だと思うので、そこのバランスをどのように整えていくか。新井監督の手腕を楽しみにしたいです。

――残る1球団は中日。

　センターラインと二遊間を若手に切り替えている状態で、変革期の真っただ中です。若手の野手に経験値を積ませる1年になると思います。ブライト健太選手や鵜飼航丞選手、石川昂弥選手ら、長打力のある若手がひとりでも出てくると、将来的に楽しみになります。外国人選手で言えば、打撃技術の高いアルモンテ選手の復帰は、大きな戦力になるはずです。

――投手陣はいかがでしょうか？

　上位チームに比べても、遜色ありません。昨年ブレイクを果たした高橋宏斗投手は、侍ジャパンを経験することで、さらに一回り成長を遂げていくはずです。

――となると、やはり得点力がカギ。

　広いナゴヤドームで戦う以上、長打力が落ちるのは仕方がないですが……、ホームランを打てる打者が育ってきたときに、上位に食い込めるチームになると思います。

企画構成：株式会社スリーライト