ファン&解説者が予想!ど~なる? 2023年のプロ野球

鳥谷敬が2023年のセ・リーグを○×予想 村上、佐藤輝、菅野ら注目選手の今季を占う

大利実

巨人:菅野智之が復活! 最多勝のタイトルを獲得する

鳥谷氏の予想「×」

――2017年、18年、20年と、最多勝を3度獲得している菅野投手です。今季、復活を果たし、4度目の最多勝獲得はあるでしょうか?

 青柳晃洋投手(阪神)や今永昇太投手(DeNA)ら、タイトルを争う投手の充実度を見ると、難しいかなと感じます。春季キャンプを見に行きましたが、絶対的な安定感を持っていたときと比べると、「イヤなボールを投げているな」とは感じませんでした。キャンプ前半だったので、これから上げていくとは思いますが。

――最多勝を狙うとなると、ベースラインは15勝になりますか?

 そう思います。菅野投手の腰を含めたコンディションを考えると、1年間ローテーションで投げ続けることができるかどうか。

――今年の10月で34歳。今の菅野投手の投球スタイルはどう見ていますか?

 ボールの強さで勝負をしていた20代と比べると、ホームベースの横の幅を広く使うようになっています。左打者にも右打者にもシュート系のボールを使い、よりスライダーが生きる配球をしている。このあたりの上手さは、さすが菅野投手と感じます。

広島:カープの選手が首位打者を獲得する

鳥谷氏の予想「×」

――坂倉将吾選手や秋山翔吾選手ら、カープの選手が首位打者を獲得できるかどうか。

 最有力は坂倉選手になると思います。内野に専念するのであれば「〇」と言いたいですが、ここまでの報道を見ると、「捕手一本」。そうなると、「×」ですかね。

――野手か捕手かで何が違うのでしょうか?

 正捕手1年目でいきなり首位打者争いをする事例は、ほとんど記憶にありません。イニング間でも自分のバッティングよりも、ピッチャーとのコミュニケーションや配球を考える時間がどうしても多くなります。また、ファウルチップや投球が手や足に当たる可能性もある。そう考えると、なかなか難しいポジションだと感じます。

――2021年は3割1分5厘、2022年は2割8分8厘の数字を残しています。技術的に優れたところはどこでしょうか?

 追い込まれてからでも、自分のバッティングができることです。たとえ体勢を崩されても、ヘッドを効かせて、しっかりと振り抜くことができる。打撃技術はあるので、あとはキャッチャーを守ることがバッティングにどんな影響を及ぼすか。そこが首位打者へのカギとなります。

中日:根尾昂が先発ローテーションに入る

開幕からの先発ローテーション入りを目指してキャンプに取り組む根尾昂。鳥谷氏は今年の根尾をどう見ているのか 【写真は共同】

鳥谷氏の予想「×」

――昨シーズン前半、野手から投手に本格的に転向した根尾投手。今季先発ローテに入る可能性はあるでしょうか?

 さすがに、先発ローテに入るのは難しいと思います。先発になると同じ打者と3~4度の対戦があり、なおかつシーズンで何度も戦うことになります。根尾投手の組み立ては150キロを超えるストレートとスライダー。投球スタイルを考えても、先発よりも中継ぎのほうが向いていると感じます。

――先発をするのであれば、球種を増やす必要がありますか?

 そう思います。あとは、これまで野手として練習してきた分、1年間投げ抜く体を作っていく必要もあります。今、目指すところは、勝利の方程式を担うセットアッパーではないでしょうか。

――投手へのコンバートは、鳥谷さんはどう見ていますか?

 バッターを続けてほしかったです。足があり、肩があり、野手としての能力が高い。バッティングに苦しんではいましたが、これから先の成長を見てみたかったですね。確率がすべてではないですが、プロで投手から野手に転向した成功例はたくさんありますが、野手から投手の成功例は思い浮かびません。それだけ難しさがあるのだと感じます。

企画構成:株式会社スリーライト

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著者プロフィール

1977年生まれ、横浜市出身。大学卒業後、スポーツライター事務所を経て独立。中学軟式野球、高校野球を中心に取材・執筆。著書に『高校野球界の監督がここまで明かす! 走塁技術の極意』『中学野球部の教科書』(カンゼン)、構成本に『仙台育英 日本一からの招待』(須江航著/カンゼン)などがある。現在ベースボール専門メディアFull-Count(https://full-count.jp/)で、神奈川の高校野球にまつわるコラムを随時執筆中。

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