春季キャンプで見たい! 期待の若手をチェック

春季キャンプで見たい期待のパ・リーグ若手投手6選 谷繁元信&里崎智也はオリックスの「秘密兵器」に注目

前田恵

里崎氏が真っ先に挙げた投手はオリックスの山下舜平大。昨年のCS、日本シリーズで登録されていただけに、キャンプでじっくりと見てみたい投手だ 【写真は共同】

 充実したキャンプを送り、今シーズン一気に大ブレイクする選手は誰なのか? キャンプで選手個々がどんな課題に取り組み、どんな成長を見せてくれるか楽しみなファンも多いだろう。今年もキャンプ取材を控える元捕手の谷繁元信氏、里崎智也氏にキャンプで見たい期待のパ・リーグの若手投手について話を聞いた。

地元・埼玉出身の渡邉勇太朗が今年こそ花開くか

昨年は3試合しか登板機会がなかった西武・渡邉勇太朗。ファンの期待も大きい 【写真は共同】

――「キャンプで見てみたい若手選手」、ここからはパ・リーグ編に入ります。まずはパ・リーグの投手陣からまいりましょう。

里崎 僕はオリックスの3年目・山下舜平大投手ですね。昨年のクライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズでもメンバーに登録され、もしかして投げる機会があるんじゃないかと言われていました。

谷繫 「秘密兵器」と言われていたね。

里崎 山下投手はシーズン中、ファームでも8試合(注・2勝2敗、防御率3.31)しか投げていない。それでもCSで投げさせてみようと思わせるだけのものがあったわけですから、どんなピッチングをするのか、生で見てみたいですよ。

谷繫 同じく。みんな、山下投手の素質については絶賛しているよね。

里崎 そうなんですよ。でも、なかなかウエスタン・リーグまで追いかけられないので、実際に投げているところは見たことがないんです。

谷繫 新聞記者とか、いろんなところから「ものはいい」と情報は入ってくるんだけどねえ。

里崎 あとは、西武の渡邉勇太朗投手ですね。今年、(高卒)5年目。もうそろそろ、出てこないといけない時期です。「いい感じで来ている」と言われながら、昨年も一軍では3試合しか投げていない。そもそも地元出身の選手で、球団の大きな期待を背負っての入団。ましてや一昨年からの期待値でいうと、まったく物足りないと思いますよ。

「若手」ではないが田中正義の大化けに期待

今年から日本ハムでプレーする田中正義。コンディションさえ整えば十分活躍できると2人は話す 【写真は共同】

谷繫 パ・リーグはドラフトで大卒、社会人出の投手を指名して、そのまま一軍で活躍する傾向があるのか、今回の条件に当てはまる投手で目立つ選手が少ない気がするな。

里崎 そうですねえ、若手投手といえば……あとは日本ハムの達孝太投手とかね。昨年、1試合だけ投げましたよね(注・9月25日の楽天戦でプロ初登板)。素材としてはいいし、日本ハムは投手の頭数がそこまでそろっていないので、(高卒)2年目の今年はどうなんだろうと思います。

谷繫 僕は、自分がちょっと見たなかで気になるのは、日本ハムの田中正義投手だよ。今年で大卒7年目だから、ここでいう「若手」の条件にはまったく当てはまらないんだけど、まだ実績は残していないじゃない。ただ、昨年ブルペンで彼を見て、やはり持っているものは素晴らしいなと強く感じたんだよね。

里崎 確かに、昨年のオープン戦は良かったですよね。

谷繫 ボールに迫力があって、打席に立っていると、なんというかボールに対して圧が掛かっていたんだよね。あと、横で見ているとボールが手から離れてミットに着くまでの時間が、とにかく短い。そんなピッチャー、あまりいないよね。それくらい、昨年の春のキャンプのブルペンはよかった。さすが5球団がドラフトで競合したピッチャーだなと思ったもん。それでオープン戦も出だしは良かったのに、肩を痛めて離脱してしまった。(FAでソフトバンクに移籍した近藤健介の人的補償として)今年日本ハムに移籍して、コンディションさえ整えば、彼は素晴らしいピッチングをしてくれると思うんだけどね。

里崎 ヒジとか肩とか、ソフトバンク時代のようにケガさえなければいいですよね。ポジションは空いているわけですから、フィットするかもしれない。

谷繫 サトが言う通り体次第だけど、移籍をきっかけに化ける可能性はあるよね。

里崎 最大の敵がケガだとすれば、リリーフで30試合、40試合投げられるのかという話にもなりますけどね。

1/2ページ

著者プロフィール

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント