【新戦力分析】“和製ランディ・ジョンソン”ら新人が即戦力となるか? 新助っ人は長打力が魅力の選手がずらり<パ・リーグ編>

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 昨季リーグトップのチーム防御率をマークした西武。勝利の方程式の一翼として大車輪の活躍を見せてきた平良海馬が今季から先発に転向するにあたり、リリーフ陣の強化が急務となっている。そこで期待されているのが、新助っ人のティノコだ。小さく動く速球とスライダーが売りの右腕で、昨季はメジャーで17試合に登板して防御率2.18をマーク。基本的には打たせて取る投球スタイルだが、3Aでは35試合の登板で奪三振率10.43を記録しており、三振奪取能力も備えている。水上由伸や本田圭佑らとともに、ブルペンを支える働きが期待されている。新人ではドラフト4位指名の青山美夏人に注目。最速151キロの直球とスプリットが武器の本格派右腕で、ローテーション候補として期待される。

 昨季は得点力が乏しかったことから、今オフは打線の中心を担うバッターとして2人の助っ人を獲得した。内野手のマキノンは長打力が持ち味の中軸候補だ。昨季は3Aで79試合に出場し15本塁打、OPS1.001をマーク。起用法としては一塁やDHで山川穂高と併用する形が予想されるが、三塁を守る可能性もある。外野手のペイトンは小柄な体格ながら、昨季は3Aで119試合に出場して25本塁打を放っている。15盗塁を記録するなど走力もあり、上位打線を任せたい存在だ。新人ではドラフト1位の蛭間拓哉に注目。広角にホームランを放つ打撃技術と高い身体能力が持ち味で、即戦力として期待される。昨季の西武は外野3ポジションのOPS.625と12球団最低だった(12球団平均のOPS.703)ため、外野手の打撃力がチーム浮上の大きなカギを握っている。彼らの活躍で打線に厚みを持たせることができれば、上位を争うことができるだろう。

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 昨季、中盤以降の失速が響いてリーグ4位に終わった楽天は、新戦力で投手力の底上げを図った。新助っ人のバニュエロスは、2021年の東京五輪でメキシコ代表の一員として日本戦のマウンドにも上がった左腕。昨季はメジャーで35試合にリリーフ登板しているが、先発経験も豊富でローテーション候補の1人に挙げられる。さらに、ドラフトでは1位の荘司康誠をはじめ、大学・社会人の投手を続々と指名した。特に注目したいのが、鷺宮製作所から入団する小孫竜二である。昨秋の社会人日本選手権では最速156キロをマークするなど、則本昂大のように馬力のある本格派右腕だ。同選手権の初戦では8回1失点10奪三振を記録しており、プロで活躍するための下地はすでに整っている。先発投手陣には田中将大や岸孝之といった実力者がそろってはいるが、その後に続く投手の台頭も欲しいところ。石井監督は世代交代を図る目的で、ローテーションに若手のための枠を用意する方針を掲げており、1年目から一気にブレークするルーキーが出てくれば、チームに勢いがつくだろう。

 野手では、新たな助っ人として右打ちの内野手であるフランコを獲得した。メジャーで通算130本塁打を記録しているパワーヒッターで、オスナ(ヤクルト)のような積極的な打撃スタイルが持ち味。打球の質は間違いなく一級品で、浅村栄斗や島内宏明に続く5番打者としてポイントゲッターの役割が期待できるだろう。また、支配下の新人では唯一の野手として、NTT西日本の平良竜哉を指名。パンチ力のある打撃と内野の複数ポジションをこなす器用さが売りで、こちらも即戦力として楽しみな存在だ。

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