【新戦力分析】“和製ランディ・ジョンソン”ら新人が即戦力となるか? 新助っ人は長打力が魅力の選手がずらり<パ・リーグ編>

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 昨季は投打がかみ合わず5位に沈んだロッテ。リーグワーストだった失点の多さを改善するためには、投手陣の強化が必須。特にオスナとゲレーロが抜けるブルペンの整備が一番の課題となりそうだ。そういった中で、新たなリリーフ候補として期待できるのが、新助っ人のカスティーヨとドラフト4位ルーキーの高野脩汰だ。カスティーヨはメジャー経験こそ少ないものの、昨季は3Aで40試合に登板して防御率1.74と安定した投球を見せていた。NPBでも持ち味の小さく動く速球を生かしたピッチングに期待したい。一方の高野は日本通運出身のオーバースロー左腕で、直球とフォークのコンビネーションを武器に活躍している。かつて中日と阪神で勝ちパターンを担った高橋聡文氏のようなフォームが特徴的で、救援陣にアクセントを加える存在だ。また、ローテーション候補として前巨人のメルセデスを獲得。試合をつくれる先発左腕として、貴重な戦力となるだろう。ルーキーでは専修大からドラフト1位で入団した菊地吏玖が先発候補に挙げられる。力のあるストレートと強靭なスタミナとメンタルが持ち味の右腕で、昨年は東都二部リーグで春・秋の2季連続で最優秀防御率を受賞している。

 野手陣では、昨季までの4年間在籍し、中軸も担ったレアードとマーティンが退団。現有戦力では打線の迫力不足は否めない状況だ。それを改善する一手として、フロントは前巨人のポランコを補強。昨季セ・リーグ4位タイの24本塁打をマークしたスラッガーの獲得は、チームにとって明るい材料となるだろう。また、ドラフトでは二遊間の即戦力として天理大の友杉篤輝を指名。守備と走塁で高い評価を受けており、1年目からショートのレギュラー争いに食い込んでいきたい。今オフは支配下登録の外国人が投手と野手あわせて6名が退団したが、その穴埋めはまだまだ足りず、開幕までにさらなる助っ人の獲得が予想される。

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 いよいよ新球場1年目のシーズンを迎える日本ハム。新人の目玉選手は、やはり二刀流のドラフト1位左腕・矢澤宏太だろう。投げては最速152キロの直球とスライダーを操り、打っては鋭いスイングで広角に打球を放つ。首脳陣のコメントからは二刀流の先輩である大谷翔平(現エンゼルス)とは異なる起用法が予想され、新庄剛志監督の采配にも注目が集まるところ。近藤がFAで移籍したこともあり、1年目は外野手として多くの出場機会がつかめるかもしれない。先発投手では、2位指名の金村尚真に注目だ。制球力に優れた右腕で、大学3年時には完全試合を達成した実績も持つ。チームには同じく即戦力投手として入団し、1年目から2ケタ勝利を挙げた伊藤大海というお手本がいる。金村にも同様の活躍を期待したいところだ。

 投手陣は一定の質を備えているだけに、新庄監督の目標であるリーグ優勝を果たすには、野手陣の奮起がカギとなる。その中で注目したいのは、昨季まで中日でプレーしていたマルティネスだろう。打力の高さはNPBの環境ですでに証明済み。昨季は助っ人の不振がチームの低迷につながったことから、計算できる新戦力を獲得して巻き返しを図っている。もう1人の注目選手は、米球界で10年間のキャリアを積み、ドラフト指名を経てNPBの舞台に上がる加藤豪将だ。二塁を中心に内外野複数のポジションを守れる選手で、打撃面では選球眼とパンチ力を兼ね備えている。3Aで収めた通算OPS.793は、かつて二塁のレギュラーを務めた田中賢介氏が渡米したときと近いものがある。両者を比較すると加藤豪の方がコンタクト能力に後れを取るものの、長打力で上回る成績を残している。チームは清宮幸太郎や万波中正が頭角を現して新時代を迎えつつあり、今季は若手の成長と新戦力の融合で上位争いに組み込みたいところだ。

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