大谷、ダルビッシュが侍ジャパンの中心になる 内川聖一が彼らに重ねるイチローの存在感
日の丸の重みを誰よりも知るひとりが、今季限りでNPBから引退した内川聖一内野手。2009年の第2回大会から3大会連続で代表メンバーに名を連ねた。「それぞれ違う立場でWBCに携わらせてもらった」。言わずと知れた「短期決戦の鬼」は、世界一の歓喜も、3連覇を逃した絶望も味わった。自らの経験を踏まえ、日本人メジャーリーガーの存在の重要性を語る。
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米国で聞いた君が代、感じた国を背負う重圧
「アメリカ大陸に行って、君が代を聞いた時、本当に日本代表として戦っているんだなとすごく感じたんです。子どものころから当たり前のように国旗や国歌にふれてきましたが、日本人として頑張らなきゃいけないなと感じた瞬間でした」
ましてや、2006年の第1回大会から連覇が宿命づけられた身。「やっている時は夢中でしたね。やらなければいけないという思いだけでした」。イチローや岩村明憲、福留孝介、城島健司らメジャーリーガーも加わったチームで「先輩方についていく感じ」。それでも、若手の活力は勢いをもたらし、決勝では宿敵・韓国の流れを断つ好送球も。延長10回に決勝のホームを踏み、歓喜の輪の一員となった。
若手からベテランまでが集う侍ジャパンでは、それぞれが果たすべき役割も違う。3連覇がかかった2013年の第3回大会に中軸のひとりとして臨んだ内川は、前回とは違う重責と向き合った。
「一生懸命に前を追いかけていくだけだったのが、今度は自分たちが主力になっていかなければいけない責任感を持って大会に入っていきました。3回目の世界一という期待に応えなければいけないと」
結果的には、準決勝敗退。巻き起こった議論と批判こそ、日本を代表して戦う厳しさ。「当たり前にできたことでも、きちんと意識を向けてやらなければいけない。日々の練習から気を抜いちゃいけないなと改めて思わされました」。野球観に影響を与えるほどの衝撃だった。