B1西地区首位でも「課題」と向き合う琉球 伸びしろは“1対1頼み”からの脱却と、セカンドユニット
ハンドラーに挑戦するウイング陣
牧(中央)は9カ月振りの復帰を果たした 【©B.LEAGUE】
「PGへのディナイ(筆者注:ボールを持たせないようにする対応)、PGからボールを離させる(守備)というのはどのチームもやってきます。僕たちのチームにとっては、それが有効でない状態を作った方がいい。ハーフコートに入ったとき、ハンドラーの3人いるチームが一番強いと思っています。彼らがそこをできるようになれば、自ずといいバスケットができるようになる」(桶谷HC)
チームと選手の成長を考えて
「この選手が出ているときはどのプレーを使おうとか、相手のここにウィークネスがあるから攻めようということを、しっかり密に話しながらできています。そこは自分たちにとってかなり大きい。それにPGをやれば(選手の)IQは絶対に上がってくる。いい挑戦かなと思っています」(桶谷HC)
キャプテン田代の復帰にはこのような意味合いもある。
「田代は色んなことを考えて、失敗を一杯しながら、泥臭く成長していくタイプ。ただ最終的にはネガティブなことも、ポジティブに持っていける選手です。(琉球は)どちらかというとシンプルに考える選手が多いですけど、違うタイプがいて、アイディアが出てくる。田代しか持っていない思考は、チームにとってすごく重要かなと思っています」
より「チームで崩す」スタイルへ
「昨シーズンはどちらかというと1対1、個の力の強い選手が多かったイメージです。今年はもう少しチームとして、組織的にバスケットをしていかなければいけない。個の力は引き続きあるので、自分はうまくバランスを取って、回せる存在になりたい。得点やアシストに直接つながるプレーというより、チームの流れを作るハンドラー、起点となれたらいい」
4日のFE名古屋戦後には、新しいスタイルへの手応えも語っていた。
「今日の第3クォーターはボールを動かしてズレを作って、そのズレを使ってシュートをクリエイトしたり1対1を使ったりして、ボールを停滞させずにやれる場面が要所要所で見られました。ここまで見られなかった動きだったと思います」
PGに頼らず、ウイングも含めた3人がハンドラーの役割を果たす。1対1に頼り過ぎず、チームでボールを動かして崩す。それが今季の琉球が目指すスタイルなのだろう。西地区の首位でありながら、まだ“伸びしろ”を充分に残している――。そんなチームの成長が楽しみだ。