連載:球団別プロスペクト&現役ドラフト注目選手

【現役ドラフト】注目野手15人を紹介 新制度でポテンシャル高き選手が飛躍する可能性も

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 リーグ連覇を果たしたヤクルトは、二軍にも強打者が控える。2020年に69試合に出場した経験を持つ西田明央は、今季二軍で3割に迫る打率に加え、チーム2位の11本塁打を放つなど突出した成績を収めた。ヤクルトの捕手では、中村悠平が2年連続でベストナインとゴールデングラブを獲得。成長著しい若手の内山壮真も控えていて、非常に層が厚い。西田はチーム事情から出番が限られてしまっているが、二軍の成績からは打てる捕手として存在感が際立っている。チームトップの13本塁打を記録した松本友は、57打点でイースタン・リーグの打点王を獲得。前年に続いて得点圏で好成績を残した。シーズン最終盤の一軍昇格後には計15打数6安打をマークするなど、来季の活躍が楽しみなバッターの1人だ。

 阪神の北條史也は4月に左肩手術からの復帰を果たし、一軍で32試合、二軍で21試合に出場。打席数は少ないもの勝負強いバッティングを披露しており、来季は本格的な復活が期待される。一軍では主に三塁手として起用されたが、二軍では二塁も多く守っている。

 2020年にイースタン・リーグの最多本塁打、最多打点、最高出塁率を獲得した経験があるDeNAの細川成也は、今季も二軍でチームトップの11本塁打をマーク。自慢の長打力を見せつけた一方で、一軍では18試合の出場で打率.053と苦しんだ。課題である変化球への対応を克服し、一軍の舞台でもアーチを量産したい。

 巨人の北村拓己は一軍で打率1割台と振るわなかったものの、二軍では66試合に出場して打率.263をマーク。内野の全ポジションをこなす献身的なプレーが光った。石川慎吾は二軍で主に中軸として起用され、打率.283をマーク。昨季は3割超えのハイアベレージを残しており、一軍でもバットでのアピールが期待される。来季の巨人は中島宏之、松田宣浩、長野久義といった経験豊富な右打者たちが控えており、同じ右打ちである北村や石川の動向は気になるところだ。

 今オフの中日は、京田陽太と阿部という実績のある2人を放出して話題を集めたが、二遊間を守る選手では石垣雅海にも注目したい。今季は一軍で自己最多の50試合に出場し、打率1割台ながら74打席で3本塁打を記録。二軍では打率.298をマークしており、同.226だった昨季から確実性を向上させている。中日は積極的なチーム改革を進める動きを見せているだけに、現役ドラフトでも他球団から熱い視線を集めるかもしれない。

総括

 各チームの有力選手を概観すると、入団時からポテンシャルを評価されてきた選手が多く名を連ねていることが分かる。能力のある選手であっても、チーム事情や置かれている環境によってはその力を十分に発揮できないことがある。特に野手の場合は、守備位置やプレースタイルが重複するためチャンスに恵まれず、移籍をきっかけに出番をつかむ例も見られる。今回ピックアップした選手の中には、新天地へと移籍する者が現れるかもしれない。現役ドラフトという新制度が選手にとっても、球界にとってもプラスに作用することを期待したい。

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