連載:球団別プロスペクト&現役ドラフト注目選手

【現役ドラフト】注目野手15人を紹介 新制度でポテンシャル高き選手が飛躍する可能性も

データスタジアム株式会社

オコエ瑠偉(右)は楽天2軍で打率.327の好成績 【写真は共同】

 12月9日に実施される運びとなった現役ドラフト。この制度は現チームで必ずしも出場機会に恵まれていない選手の移籍を促進するために、2022年オフから開催が決まったシステムである。対象選手のうちから2人以上を指名対象リストとして各球団が提出。ドラフト当日に全球団が指名し、全球団が11人以上必ず選手の出入りが発生する仕組みとなっている。なお、下記の選手は対象から除かれる。

・フリーエージェント権保有者、あるいは同権利の行使経験者
・複数年契約中の選手
・年俸5000万円以上の選手。ただし、5000万以上1億円未満の選手は1人まで可
・育成契約選手
・外国人枠の選手
・昨季の日本シリーズ終了後にトレードで移籍した選手
・今季の日本シリーズ終了後に育成枠から支配下登録された選手


 今回のコラムでは、現所属で近年あまり出番がないものの二軍で好成績を残していて、現役ドラフトの対象となった場合に注目を集めそうな有力選手に触れていく。

※内容は2022年11月28日時点の情報をもとに執筆
※以下、選手の年齢は2022年12月31日時点
※表中の選手は2022年度の推定年俸が5000万円未満の選手

【データスタジアム株式会社】

 オリックスの大下誠一郎は、2020年の一軍デビュー戦でプロ初打席初本塁打を放つなどパンチ力が持ち味。今季は二軍で2本塁打にとどまったものの、出塁率.367としぶといバッティングを見せている。持ち前の明るい性格はムードメーカーとしても貴重な存在であり、どのような環境であってもチームに活気をもたらしてくれることだろう。

 松井稼頭央新監督の下で機動力強化を図る西武。6年目の鈴木将平は、今季序盤に「1番・センター」で起用され、最終的には一軍で自己最多となる58試合の出場を果たしている。トップバッター定着を目指す若獅子は、他球団からも期待を集めるだろう。2019年のイースタン・リーグ盗塁王に輝いた山野辺翔は、二塁、三塁、遊撃の守備をこなすユーティリティー性が光る。二軍ではバットでも鈴木に負けない数字を残しており、走攻守のバランスに優れた選手として需要が高そうだ。

 ファーム日本一に輝いた楽天は、右打者の奮闘ぶりが目立った。オコエ瑠偉は二軍で48試合に出場し、打率.327の好成績をマーク。巨人から移籍して4年目の和田恋は、オープン戦で打率.366と活躍。その後一軍定着は果たせなかったものの、二軍ではチームトップの12本塁打を記録している。このほか、移籍2年目の横尾俊建も二軍で86試合に出場して打率.278をマークした。楽天は7月にDeNAから伊藤裕季也、今オフには中日から阿部寿樹をそれぞれトレードで獲得している。浅村栄斗に続く右打者を求めるチーム内の競争は激しさを増しているだけに、現役ドラフトは先の3選手にとって出場機会の増加が望める機会かもしれない。

 ロッテの菅野剛士は二軍で45試合に出場し、4割を超える出塁率を記録するなど選球眼が売りの外野手。9月22日の試合ではサヨナラ2ランを含む3打席連続本塁打を放った。三振の少なさなど、他の打撃成績も二軍平均に差をつける優秀な数字が並び、来季は一軍の戦力となれる可能性がある。平沢大河は二軍で打率.278、出塁率.397をマークし、イースタン・リーグ首位打者と最高出塁率の2冠に輝いた。守備では内野の全ポジションを経験しており、起用の選択肢が多いのも魅力だ。

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