江川卓と工藤公康が初の対談を実施! 「カーブの達人」「現代の魔球」などを語る
江川、工藤が語る「現代の魔球」
現代の魔球について、両氏の意見はフォークで一致。その優れた使い手として、江川は佐々木主浩、工藤は千賀滉大と佐々木朗希を挙げた。なかでも千賀のフォークは工藤がソフトバンクの監督時代に横から見ていても驚くべき、凄まじい落ち方をしていたようだ。「打てんわ、これは」という工藤のコメントが、その凄さを物語る。
工藤が魔球と語る、千賀のフォーク 【写真は共同】
また、両氏に共通するのはフォークへの憧憬の念だ。「投げられる人がうらやましかった」と語る工藤は現役時代、村田兆治の真似をしてフォーク習得に励んだエピソードを、江川は“フォークの神様”杉下茂からフォークを教わったエピソードを披露する。結局、両氏ともに断念したようだが、もしもフォークを極めていたら、一体どのような成績を残していたのだろうか。
現代の魔球・チェンジアップの使い手・山岡泰輔 【写真は共同】
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名ホスト・江川卓の卓越した“進行力”
ディープなテーマでありながら、適度に笑いのある対談になったのは、名ホスト・江川のウィットに富んだ会話と軽妙な進行のおかげだ。江川が長年の解説業で培ったと思われる、視聴者がきっとわからないところ、知ることで野球の醍醐味をもっと味わえるポイントを的確に察し、深掘りしていく様はさすがとしか言いようがなく、ゲストである工藤の魅力を最大限に引き立ててくれた。
昨季まで監督として常勝集団を率いていた工藤は、プロ野球の“今”を熟知している。千賀、佐々木朗希、モイネロ、山岡など、工藤の現役選手評は非常に聞き応えがあり、かつ、進化と変化を続ける現代の野球に対応しようとさまざまな試みを行っている現役選手に対するリスペクトを感じた。また、番組の第2回で工藤が語った「最近の投手の球種が増えている理由」は説得力があり、筆者のように同様の疑問を感じている人にはぜひ観てもらいたい、番組の見どころのひとつだ。
スポーツナビでは今後も野球ファンがあっと驚くようなプロジェクトを計画している。期待してほしい。
(動画編集:井上祐太、企画構成:スリーライト)