砂まみれの名将 野村克也の1140日

マネジャーと新人記者が野村克也に出会うまで 名将が砂まみれでも笑顔だった理由

加藤弘士(スポーツ報知)
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【写真は共同】

マネジャーがやりたい

 梅沢は元々、名門・日大野球部で4年間マネジャーを務めた。大学2年生の時だった。寮の電話番をしていると、どこかで聞き覚えのある野太い声で、こんな電話がかかってきた。

「和泉監督はいますか」

 名乗らないことから不審に思い、ぶっきらぼうに聞き返した。

「どちら様ですか?」

「ヤクルトの野村です」

 慌てて背筋を伸ばした。

 野村も関わった少年野球チーム「港東ムース」の卒業生が日大野球部に入部するので、その挨拶のための電話だった。梅沢は「野村・ヤクルト」対「森・西武」の日本シリーズに魅了された世代であり、野村の著書を愛読していた。一瞬ではあったが、憧れの野球人との会話は、忘れられない幸運だった。

 同時に思った。
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著者プロフィール

1974年4月7日、茨城県水戸市生まれ。水戸一高、慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、1997年に報知新聞社入社。2003年からアマチュア野球担当としてシダックス監督時代の野村克也氏を取材。2009年にはプロ野球楽天担当として再度、野村氏を取材。その後、アマチュア野球キャップ、巨人、西武などの担当記者、野球デスクを経て、2022年3月現在はスポーツ報知デジタル編集デスク。スポーツ報知公式YouTube「報知プロ野球チャンネル」のメインMCも務める。

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