テレビ朝日・清水俊輔アナウンサーが選ぶ好きな球場ランキングと実況席の裏話
京セラドームは打球判断が難しい
京セラドーム大阪ですね。実況席がかなり高いところにあるので、フライの感覚が難しい。実況の回数が少ないこともありますが、「ホームラン!」と思った打球が平凡な外野フライになることが何度もあります。
――何か対策はしているのでしょうか。
バッティング練習中はあえてグラウンドに下りずに、放送席に座って、打球感を磨くようにしています。打った瞬間に、「ホームラン!」「フェンス直撃!」とボソッと口に出す。最初は全然合いません。
――素朴な疑問ですが、モニターで確認することはないのですか?
ピッチャーが投げた瞬間に、手元のモニターに目を落として、コースや球種を確認しています。バットにボールが当たるまではモニターを見て、当たった瞬間にグラウンドに視点を切り替える。どの球場でもそうですが、モニターでバッターを見て、バットに当たった瞬間に肉眼で打球を確認する。その繰り返しです。モニターだけでは、野手や走者の動きが分かりづらいので、打ったあとは肉眼で見るようにしています。
「先読み」するテレビ朝日の中継
プロ野球中継20年のベテラン! 心のこもった実況が好評の清水俊輔アナウンサー 【写真はテレビ朝日】
テレビ朝日の野球中継は、「野球というスポーツの面白さをシンプルに伝えよう」という想いで放送しています。特に意識しているのは、先手を取って、先読みして、守備位置や選手交代を視聴者のみなさんに提示することです。監督になったつもりで、作戦や采配を楽しんでいただけると嬉しいです。
――今年も清水さんの実況を楽しみにしています。
実況を20年やらせていただいても、ちょっとしたミスや言い間違いがゼロにならずに反省ばかりです……。
――ちなみに、SNSで実況の反応を覗くことはありますか?
若いときは見ていましたが、最近はもう怖くて見ていません。スポーツ実況は、批判をいただくことはあっても、称賛をいただくことはほとんどない仕事だと思っています。メンタル的に、10の批判があっても、1の称賛があれば引き分けだと思うようにしています。称賛は10倍に感じるように(笑)。
――清水さんの実況が好きな方はたくさんいるはずです。とても楽しいお話をありがとうございました!
(企画構成/株式会社スリーライト)