連載:セ・パ名捕手が選ぶ! 2022年期待の若手選手たち

里崎智也が期待するパ・リーグ若手野手5選 リチャードは松田宣浩を超えられるか

大利実

打撃が魅力の楽天・山崎剛

里崎智也が「茂木のようなパンチ力のある打撃が魅力」と評する楽天・山崎剛 【写真は共同】

――3人目はどうでしょうか?

里崎 楽天の山崎剛です。昨季は中盤からショートで出場し、バッティングで結果を残してレギュラーをほぼつかみかけている状態です。パンチ力のある打撃は、楽天で例えると茂木栄五郎のような感じですね。

――山崎は昨季56試合に出場して、打率.256、4本塁打、24打点。山崎にはガンガン振ってくるイメージがあります。

里崎 山崎が一番に入ると先頭打者ホームランの可能性があるので、相手は嫌でしょうね。今季は開幕から結果を残すことができたら、そのままレギュラーを獲ってしまうと思います。

――やはり思いきり振ってくる一番打者は、バッテリーからすると嫌なものですか?

里崎 太田、リチャードのときにも言いましたが、一軍に定着し、活躍するためには確実性を高めることが絶対に必要。ブンブン振ってきても、当たらなければ何も怖くありません。「何でも振ってくれてラッキー!」という感じです。

――ショートの守備はどうでしょうか?

里崎 正直、守備はまだまだ荒削りで、バッティングが魅力のショートのように見えます。正直、そこまで守備が上手いイメージはなく、バッティングが魅力のショートです。昨季積んだ経験と残した成績から考慮すると、これまで挙げた3人の中で最も今季ブレイクする可能性が高いのは、山崎が一番だと思います。

ビッグボス巻き返しのカギを握る2人

昨季は自己最多の試合数に出場した日本ハムの高濱祐仁(写真中央)、野村佑希。このままレギュラー定着なるか 【写真は共同】

――他に気になる若手野手はいますか?

里崎 日本ハムの高濱祐仁、野村佑希です。昨季から出場機会が大きく増え、今季はどこまでやれるのかと期待しています。両者ともバッティングが魅力で、この2人がバシッとはまれば、ビッグボス(新庄剛志監督)の巻き返しが見られるかもしれません。そうでないと、日本ハム打線はきつくなりそうです。

――昨季途中に一軍に定着した高濱は107試合に出場し、打率.262、8本塁打、43打点。一方、野村は99試合に出場し、打率.267、7本塁打、37打点という成績を残し、存在感を示しました。

里崎 レギュラーを確保するためにも、ポテンシャルをもっと高めたいところです。野村に関してはサードの守備力も強化しなければなりません。近年の日本ハムは守備のミスが多いので、ベンチの信頼を得るには守備で結果を出すことも必要になってくるでしょう。

里崎智也(さとざき・ともや)

1976年徳島県生まれ。鳴門工業高から帝京大を経て、1998年にドラフト2位で千葉ロッテマリーンズに入団。2005年のリーグ優勝と日本一、「史上最大の下剋上」と呼ばれた10年のリーグ3位からの日本一に貢献。06年のWBCでは正捕手として王ジャパンを世界一に導いた。14年に現役引退。現在はテレビ、ラジオ、YouTube、書籍など、幅広い分野で活動中。

(構成:スリーライト)

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著者プロフィール

1977年生まれ、横浜市出身。大学卒業後、スポーツライター事務所を経て独立。中学軟式野球、高校野球を中心に取材・執筆。著書に『高校野球界の監督がここまで明かす! 走塁技術の極意』『中学野球部の教科書』(カンゼン)、構成本に『仙台育英 日本一からの招待』(須江航著/カンゼン)などがある。現在ベースボール専門メディアFull-Count(https://full-count.jp/)で、神奈川の高校野球にまつわるコラムを随時執筆中。

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