連載:プロ野球みんなの意見

江本孟紀、槙原寛己、里崎智也が熱弁! 「16球団構想より下部組織の拡充を」

前田恵

楽天の創設から18年。今後、新球団は誕生するのだろうか 【写真は共同】

 球界を代表するおしゃべり番長の江本孟紀、槙原寛己、里崎智也が初の座談会を実施! 第3回は、2020年にソフトバンクの王貞治会長の発言で話題になった「16球団構想」をテーマに、熱い議論を交わしました。

「江本さんの喝!が見たかった」

江本 ここまで「CS廃止論」「セ・リーグDH制導入の是非」について話してきた中でも言ってきたけど、もし僕がコミッショナーになったら、球界にもっと大胆な試みを取り入れたい。サトが補佐役になってくれたら、凄いことになりそうだな。年が離れている(江本74歳、里崎45歳)から、親子でやるようなものか(笑)。

里崎 喜んで引き受けますよ(笑)。

江本 ここへさらに新庄(剛志)が加わったら、めちゃくちゃになるぞ(笑)。

一同 爆笑

江本 先陣を切っていきたいね。ときどきマキにも入ってもらって。この3人の中ではマキが一番まともなんだよ。巨人出身だから(笑)。

一同 笑い

槙原 江本さんもそうですが、球界で長年生きてきた方の意見はとても貴重だと思いますよ。今日は目が覚めるような江本さんの斬新なアイデアも聞くことができたし。

江本 あまり言いすぎると張本(勲)さんみたいに炎上するから、ほどほどにしないと(笑)。

槙原 いやいや、大人の意見じゃないですか。

江本 マキだけだよ、そんなことを言ってくれるのは。

一同 笑い

槙原 ところで、江本さんは「サンモニ」(サンデーモーニング=TBS系の情報番組)からオファーは来なかったんですか? 張本さんの後任として、江本さんの「喝!」「あっぱれ!」が見たかったです。

江本 来ない、来ない。年寄りの言うことはすべて間違っていて、若い人の言うことが正しいという風潮が今、球界に限らず多すぎる。良いか悪いかで判断しないといけないと思うよ。確かに最近、僕がボケ気味ではないかと言われたら、否定はできないけど(笑)。

一同 笑い

「16球団構想」は現実的か?

江本孟紀 【画像:スリーライト】

――江本さんの「喝!」はぜひ見てみたかったです(笑)。それでは次の話題、「16球団構想」に移りたいと思います。2020年、ソフトバンクの王貞治会長が、「できればあと4つ、チームが誕生してほしい」と発言。それを受けて、ヤクルトOBの古田敦也さんが「16球団構想はすでに始まっている」「早ければ2年後には2球団を追加したい」と発言しました。その“2年後”が、いよいよやってきました。

江本 現実的ではないし、バカげていると思うよ。というのも、球団を増やす話は昔からあって、石川県金沢市とか愛媛県松山市など、さまざまな候補地が挙がっていた。ただ、プロ野球の興行収入で最も重要なのは、法人の顧客を中心とした年間シート。北陸地方や四国に拠点を置いて、東京ドームや甲子園と肩を並べるくらいチケットを販売できるのかといったら、難しい。日本の人口や経済状況から考えても、可能性がある最後の場所は楽天の本拠地・宮城県仙台市だったんじゃないかな。

里崎 今の12球団でさえ、1つの都道府県だけで球団がもっているところはないですよね。ソフトバンクは九州全域のファンに支持されている球団だし、楽天は東北全域がバックアップしている。もし愛媛県松山市に球団ができたとして、同じ四国ですが徳島県の人が「おらが町のチーム」として応援するかといったら、疑問です。僕は徳島県出身だからわかるんですが、徳島県の人にとっては愛媛県に行くより、甲子園(兵庫県西宮市)に行く方が近い。そうなると、もし愛媛県に新球団を作っても、四国全域でバックアップできない可能性が出てくると思います。

江本 僕は高知県出身なんだけど、交通の便が悪い四国は隣の県に行くことすら大変なんだよ。四国に行ったことがない人には、信じられないかもしれないけど。

槙原 僕は愛知県出身ですが、東海地方といえば中日。新球団の候補地に静岡県が挙がっていますが、お客さんの取り合いにならないか、懸念ですね。それでも東海地方、ひいては日本を代表するトヨタのような大企業が球界を盛り上げようと手を挙げてくれれば、16球団構想も成立すると思いますが、現実的なのかな。

江本 そんな大企業が新球団に出資してくれたら、大喜びでごまをすって「監督、コーチにしてください!」って近寄って行くよな(笑)。

一同 笑い

里崎 「プロ野球チームのオーナーになりたい」という企業は、これからも出てくると思います。ただ、その企業の体力が、今日のような日本の経済状況下で、どれだけ持つのか。仮に4球団増やして16球団にするのであれば、新規の4社だけでなく、6社くらいプロ野球チームのオーナーになることを希望する企業が出てこないと、万が一、どこかの経営が傾いたときに、厳しいと思います。

江本 実業家の前澤友作さんのような大金持ちのオーナーが現れて、「赤字でもいいから、とにかくプロ野球チームを持ちたい」と言ってくれたら、話は別だけどね。そうでなければ、これ以上球団を増やすことは難しい。私は昔からこの手の話に関わっていたから言えるのですが、これは新しい話でも何でもないんですよ。

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著者プロフィール

前田恵

1963年、兵庫県神戸市生まれ。上智大学在学中の85、86年、川崎球場でグラウンドガールを務める。卒業後、ベースボール・マガジン社で野球誌編集記者。91年シーズン限りで退社し、フリーライターに。野球、サッカーなど各種スポーツのほか、旅行、教育、犬関係も執筆。著書に『母たちのプロ野球』(中央公論新社)、『野球酒場』(ベースボール・マガジン社)ほか。編集協力に野村克也著『野村克也からの手紙』(ベースボール・マガジン社)ほか。豪州プロ野球リーグABLの取材歴は20年を超え、昨季よりABL公認でABL Japan公式サイト(http://abl-japan.com)を運営中。

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